元白鵬・宮城野親方 最強横綱が引退を決意したワケ 右膝手術時、主治医から言われた「宣告」とは
2023年03月04日 12:34
芸能
横綱在位14年。「土俵上がる前にすごく緊張したり、弱い部分もあるんですけど、土俵に上がったら誰も助けてくれないし、自分がやるしかない。土俵の上では鬼になって白星をもぎとる。勝つことが横綱としての責任」と自らを奮い立たせていた。
「連敗っていうのが絶対あってはいけないからね。大関は負けたら番付下がりますけど、横綱は負けたら番付は下がらないんですよね。引退しかない。負けることが『死』だと思っちゃったんでしょうね」と横綱経験者にしか分からない境地を経験した。
元横綱・大鵬が持っていた当時最多の32回優勝をモチベーションに相撲を取り続け、29歳で33回目の優勝。大鵬の記録を更新して歴代最多となった。一方で「どんどんケガに泣き、いつ引退してもいい状態でもあった。次の横綱が誕生するのを待ってたのかな…自分が引退した場所で新横綱が誕生しましたし。あとは託したぞという気持ちで」。
2021年7月の名古屋場所が最後の土俵となった。同年3月に右膝の手術していた影響で6場所休場しており「その時、引退しようとは思ってなかったんですけど、右膝を手術した時、先生から“次痛めたら人工関節”と言われていて。4日目の相撲でまた痛めてしまった。力は落ちていないんだけど、15日間相撲を取る体ではなくなってしまった」と引退を決意したという。
引き際を決めると「もうどうなってもいい。10番勝てば横綱として勝ち越せる。責任を果たそうと。で、10勝したら、ここまで来たら優勝で終わりたいって」と満身創痍の体にも力がみなぎったという。最後の土俵に上がる時は「上がった瞬間にスーっと…20年相撲とって初めて緊張しなかったですね」。全勝で45度目の優勝を果たした時を振り返った。