「爆笑問題」田中裕二　侍にエール　村上はさらに神になる

　圧倒的な強さでWBCの1次ラウンドを4連勝でトップ通過した侍ジャパン。大の野球好きの「爆笑問題」田中裕二（58）がここまでの戦いを総括し、16日の準々決勝・イタリア戦に向けてエールを送る。やっぱり期待するのはあの“神様”だ。 　こんなに楽しく野球を見られるのか！ってぐらい、1次ラウンドは気分爽快で幸せな4試合でした。

　みんなが注目した韓国戦。3回表に3点を先制されて暗雲垂れこめていたのが、その裏に4点取ってすぐ逆転した。ヌートバーの適時打、近藤の二塁打、吉田の逆転打。ヒーローがたくさん出た試合でしたね。中でも5回表にヌートバーが守備で魅せたダイビングキャッチ。まだ1点差であそこでヒットを打たれていたら、どう試合が動いていたか分からなかった。あのプレーが印象に残りました。

　そういう意味でも、1次ラウンドのMVPはヌートバー。もちろん近藤も吉田も大谷も凄かった。ただ、試合に勝つだけでなく、日本中を勢いづけたのはヌートバー。もはやアイドル並みの人気じゃないですか。ペッパーミルは流行語大賞になりそうだし。イタリア戦でもさらに勢いづけてほしい。

　凄いのはこうなることを分かっていた栗山監督。「日本でプレーしたことのない日系人選手ってどうなんだろう？」とみんな思ってたと思う。でも監督は1月の記者会見で「100％全員が好きになる」と断言していた。これは監督のファインプレーだと思います。

　ここからはどこが相手でも一筋縄ではいかないけど、日本野球を知るキューバや台湾よりはイタリアで良かったと思う。監督がドジャースで野茂とバッテリーを組んだピアザというのも面白いね。

　先発の大谷は今大会最後の登板。期待しかない。何も心配はしてないです。イタリアの選手も対戦を喜んでいるでしょう。本当にここまでのスターはなかなか生まれない。日本が生んだ最高のアスリートじゃないですか？

　期待するのは“村神様”こと村上宗隆。だいぶ苦しんでいるけど、第2回大会のイチローの姿を思い出しますね。あの時のイチローもずっと打てなくて、決勝で最後にタイムリーを打ちましたから。

　村上は昨季も55号の本塁打を打ってから56号が全然出なかった。それを最終打席で決めた。今回も同じような布石の気がします。ここから大事なところで打って、そしてさらに神になる。チームメートもファンも一発を待ってますから、それが出ればさらにチームが勢いづく。頑張れ、日本の4番！