浜辺美波 神木隆之介に「器の大きさを感じる」 次期朝ドラ「らんまん」ヒロイン
2023年03月20日 12:00
芸能
以後、映画「君の膵臓をたべたい」(17年)やドラマ「私たちはどうかしている」(20年)に主演するなど、役者として経験を積んできた。
「今回は自分のペースで撮影に臨めています。視野を広く持つ余裕もできたので、この現場に子役の方が来たら、その子に良い思い出が残るように努めたいです。この先、物語の中で自分に子供ができる展開があるのだとしたら、家族みんなで仲良く撮影できたらいいなとも思っています」
ドラマは植物学者・牧野富太郎さんの人生をモチーフにしたオリジナルストーリー。愛する植物のために一途に情熱的に突き進む主人公・槙野万太郎(神木隆之介)とその妻・寿恵子(浜辺)の波瀾万丈の生涯を描く。
「寿恵子は17歳で登場します。最初はまだ幼さが残っていますが、万太郎と出会い、お見合いが多い時代の中で自分の意志を貫いて結婚し、女性としてたくましくなってゆきます。葛藤を抱える女の子が徐々に芯の通った女性になってゆく、その成長の過程を表現できればいいなと思っています」
寿恵子は、ひたむきでたくましい女性という設定。植物研究に金をつぎ込む夫の万太郎のために、苦しい家計をあの手この手でやりくりし、最終的には驚く方法で家族を救う。
「最初に脚本を読んだ時から共感しました。自分が選んだ道をつらい中でも楽しみながら力強く歩いて行く姿が格好いいです。私も、周囲の意見を聞きながら、最終的には自分で道を選ばないと嫌な方なので、とても共感できます。視聴者のみなさんにも応援していただけるような人だと思います」
撮影を前に高知県立牧野植物園を訪れ、関係者から、ドラマのモチーフとなった牧野富太郎さん夫妻の話を聞いたという。
「牧野さんが奥さまに書いた手紙の文字が仕事の時の文字とは違って丸みがあるところに愛情を感じました。2人は最後まで仲が良かったという話をうかがって、うれしかったですし、演じるのが楽しみになりました。伝記によると、2人は引っ越しを10回以上したそうです。採取した植物をリヤカーいっぱいに乗せて運んでゆくのは大変だったと思いますが、奥さまは自分の意志を貫いて夫を支え続けたのだからこそ、幸せだったと思います」
主演の神木とは19年の映画「屍人荘の殺人」以来、約4年ぶりの共演。神木は今回、座長として「共演者が気楽な現場で良かったと思う状況を作るのが主役の役目だと思う」と話している。
「毎週月曜にリハーサルがあって、1週間分のセリフを確認するんですけど、神木さんは台本を見ながらやっています。撮影現場では完璧に決める方なので、それはリハーサルで神木さんが完璧にやってしまうと周りにプレッシャーがかかってしまうことへの配慮なんだと思います。そのやり方を選べる神木さんの器の大きさを感じます。現場でもムードメーカーになっていて、神木さんが入るだけで雰囲気が明るくなり、笑いが起きて、力強さもあります。いい座長のあり方だと思います」
放送まであと約2週間。視聴者の期待も高い。
「連続テレビ小説は朝からさわやかな活気をくれるものです。特に『らんまん』には、すがすがしい風が体を通り抜ける感じがあります」
◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。