いしだ壱成 「もろに映っています」 映画「三茶のポルターガイスト」で恐怖実感
2023年03月22日 07:30
芸能
「僕も心霊的なことが嫌いじゃないので、めちゃくちゃ面白そうだと思いました。でも、本当は怖がりで、『こっくりさん』とかもやったことがないんです」
──異常現象多発ビル内での撮影はどうでしたか?
「想像を上回る怖さがありました。まず監督から『エレベーターの中にびしょ濡れの老婆がいるので気をつけてください』と言われました。部屋に入るだけで怖かったし、撮影中に、線香のにおいがしたり、物音が聞こえたりして、なんという映画に出てしまったんだ…と思いました。まさか、こんなにガチだと思いませんでした」
──映画の中で、20代の頃に体験した不思議な出来事について語っていますね。
「あれはいまだに不可解なことです。僕自身は怖い話というより意味不明なこととしてとらえています」
──あの部屋の中で対談したオカルト編集者・角由紀子さんはどんな人だと思いましたか?
「つかみどころのない人だと思いました。かなり変わっている人ですけど、度胸があって、とても強い人なんだと思います」
──後藤剛監督はどんな人ですか?
「気さくで、面白い人です。撮影中ずっと一緒に『怖いですね~』とびびってました。そういう人じゃないと、この作品のような目線で撮れなかったと思います」
──完成した作品を見た感想は?
「こんなにはっきり映ったか!と思いました。プロデューサーは『誰にも信じてもらえないかも』と言ってましたが、撮影で一部始終を見た内々の人間としては、やはりいるんだな、と思います」
──いしださんの近況を教えてください。
「最近は役者の仕事が多いです。次は映画『ターニングポイント3』で、多重人格の役をやります。これから撮るんですけど、多重人格を整理して分かりやすく伝えようとすると大変で、難しいことに挑んじゃったな、と思っています」
──役者の仕事の楽しさは?
「ぱっと変わって誰かになるのは楽しいです。カットがかかった瞬間の安堵感もいいです。達成感もあります。その後に吸うたばこがおいしい。気がつけば、もう30年もやっています。いつの間にか中堅どころかベテランになってしまいました。やるたびに自分探しが始まって、果てしない感じがしますし、たまに気が遠くなります」
──今後は?
「海外に触手を伸ばしています。アジアの映画に出ることが決まっていて、6月、7月に撮影に行きます。ベトナムと日本の共作で、これから台本をもらうんですけど、日本人の役です。旅をしている感覚で仕事ができればいいな、と思います」
──今回の映画は役者としてではなく素で出演しているので難しい部分がありましたか?
「僕はバラエティーにも出させてもらっているので抵抗はなかったです。10代の頃は素でどう話したらいいのか分からなかったですけど、今はそんなことはないです」
──内容がオカルトでしたが…。
「僕が出た場面以外で、もっと怖いことが起きてますからね。僕にも何かがとりついたんじゃないかと心配になりました」
──最後に映画の見どころを。
「もろに映っています。もろに見えます。一種のスクープ映画です」
◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。