「スッキリ」に日動水が強く非難「配慮のない…積極的な協力行わない」今後動物扱うTV番組制作に影響も

2023年03月28日 05:00

芸能

「スッキリ」に日動水が強く非難「配慮のない…積極的な協力行わない」今後動物扱うTV番組制作に影響も
協会に所属する主な動物園・水族館 Photo By スポニチ
 日本テレビの情報番組「スッキリ」(月~金曜前8・00)で那須どうぶつ王国(栃木県)からの生中継の際に、出演者がペンギンのいる池に故意に落ちた問題で、公益社団法人「日本動物園水族館協会」が27日、非難する声明を発表した。「動物に対する敬いの気持ちを忘れて、単に笑いの対象とする行為は認められない」「動物への多様な配慮のない番組制作には積極的な協力を行わない」などと厳しい姿勢を表明。テレビで動物を扱うこと全般へ影響する可能性もありそうだ。
 問題のシーンは24日に放送されたもので、お笑いコンビ「オードリー」の春日俊彰(44)がペンギンの池に何度も転落。スタジオでは司会の加藤浩次(53)が笑いを誘う形で「春日!池に落ちんなよ」とあおるような声をかけていた。放送後、同園は番組側に厳重抗議した。

 番組では27日、森圭介アナウンサーが謝罪した上で「動物がいない池に入る可能性について打ち合わせはしていました」と説明。加藤も「動物が池に入っていない状態ならいいですよというニュアンスでした」と強調した。実際には池にペンギンがいる状態だった。

 同協会は、こうした番組側の説明について本紙の取材に「動物が全く違う場所にいる状態でないと、基本的にはどの園でも許可はしないと思う」と指摘。加盟する那須どうぶつ王国も同じだとみており「どんな動物であろうと、私たちは命を預かっている。“どうせペンギンだから”と軽んじていたと思ってしまう」と番組側を批判した。

 協会では、過去に同局の人気番組「天才!志村どうぶつ園」(現・嗚呼!!みんなの動物園)でのチンパンジーの扱いについて抗議をしていたという。「局から“今後、新番組では動物に配慮します”との言葉をもらっていた。番組は違うが、局内で動物への意識が統一されていなかったことが残念です」とし、「今後、番組などへの協力は(加盟する)どの園でもちゅうちょしてしまう可能性はある」との見方を示した。同協会は全国の約140の動物園と水族館が加盟。「スッキリ」は今月末で放送が終了するが、日テレは番組全体で今後、動物を扱うのが難しくなる可能性もありそうだ。

 ▽日本動物園水族館協会 1939年創設。全国90の動物園と51の水族館が正会員として加盟している。英語の略称はJAZA。種の保存や調査・研究などのテーマに、園や館の垣根を越えて取り組む団体。総裁は秋篠宮さま。会長はよこはま動物園ズーラシア園長の村田浩一氏。戦争は人々の命と動物の命を奪うという立場から、ロシアによるウクライナ侵攻を非難する声明を出している。

 ≪石澤社長も謝罪≫日本テレビの石澤顕社長も27日、定例会見で謝罪した。「打ち合わせが不十分だった。その結果、動物園の方々、出演者にご迷惑をかけてしまい、視聴者に不快な思いをさせてしまった。率直におわびしたい」と話した。また、26日にスタッフが園に謝罪に行ったとし「最善の解決に向け意見交換している。(謝罪の)意思についてはお伝えしていますが、リターンを待っている」と説明した。

この記事のフォト

【楽天】オススメアイテム