石倉三郎 俳優人生は、あの名優の一言から始まった「オレだって昔は素人じゃないかよ」
2023年04月04日 18:43
芸能
石倉がスーパーマーケットで働いていた時、休憩時間に近くの喫茶店に行くと、あの名優をお店で見かけた。「高倉健さんがいたの。お、健さんだ、格好いいな、と思って…」。高倉さんは映画「網走番外地」などで、当時すでにトップスター。放つオーラも際立っていた。ただ、遭遇は一度きりで終わらない。「(その店に)毎晩いるのよ。この人は大スターなのに、暇な人なんだなあって思ったよね」。高倉ほどの大物俳優なら、自分でスケジュールを決められることを知ったのは後年だった。
店で顔を合わせるうちに、会釈しあう関係となり、高倉さんが初めて石倉に声を掛けたのが、それから約2カ月後。石倉の境遇を知り、高倉さんは「東映に来るか」と提案した。ギャラがもらえることを知り一度は喜ぶも、石倉が「僕は(演技が)素人ですよ」と言った時の、高倉さんの一言がふるっていた。「オレだって昔は素人じゃないかよ」
石倉は「(その言葉は)効いたね」と感慨深げ。石原三郎が本名の石倉が、尊敬する高倉さんの1文字をもらいうけ、芸名にするのは、もう少し後の話となる。