羽生善治九段が日本将棋連盟新会長へ 役員選挙への立候補届を提出
2023年04月05日 05:10
芸能
4日に東京都渋谷区の将棋会館に姿を見せた羽生は、自身初の立候補届を提出。「今日の取材はなしで…」と言葉少なに立ち去った。連盟を通じて「このたび、日本将棋連盟役員選挙に立候補する届け出を提出しました。2024年に100周年を迎えるにあたり自分なりに力を尽くす所存です」とした。
先月まで開催された第72期ALSOK杯王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)では藤井聡太王将に挑み、2勝4敗で敗退したがトップ棋士の実力を示した。勝利したその第2局は昨年度の名局賞を受賞。実績、人望共に傑出する羽生の会長就任は将棋界で長く期待されていた。
ただ、前人未到のタイトル100期を目指す羽生にとって、兼業はハンデを抱えることになる。会長の職責は、タイトル戦前夜祭や就位式でのあいさつ、免状への署名に棋戦やイベントのスポンサー集めなど多岐にわたる。多忙でもあり、将棋の研究時間が取れなくなることが予想され、今後の成績に影響がある可能性も。今回の立候補は覚悟の表れと受け取れる。
現役九段の佐藤会長は前任の谷川浩司17世名人(60)の辞任を受け、17年2月に就任。以降6年間で東西の新将棋会館建設準備や名古屋将棋対局場の新設、8つ目のタイトルとなる叡王戦の開催などに尽力した。
≪100期到達で自分に贈位状?≫羽生が会長に就任すれば、大山康晴15世名人以来の偉業に挑むことになる。大山は76~89年に会長を務め、79、80、81年度の王将に輝いた会長兼タイトルホルダーだった。就位式で手渡される贈位状は通常、会長からタイトルホルダーへとなる。羽生が会長になり100期到達の際、羽生が羽生に手渡すわけにはいかず、どう開催するのか?また贈位状に記載する贈り手と受け手が同一人物でいいのか?などの“難問”が発生する。