【芸人イチオシ】Gパンパンダ リアリティーこそ最大の魅力 フリではなく本物で勝負

2023年04月08日 09:00

芸能

【芸人イチオシ】Gパンパンダ リアリティーこそ最大の魅力 フリではなく本物で勝負
Gパンパンダの星野光樹(左)と一平 Photo By スポニチ
 公認会計士の資格を持つ星野光樹(30)と高IQの一平(30)によるインテリコンビ「Gパンパンダ」。ネタは上司からの飲み会の誘いやバイトのシフト調整など日常の1コマを切り取る。ネタ作りの星野は「奇抜さがないのは芸人としてどうなのかな…」と苦笑いしたが、リアリティーこそが彼らの最大の魅力だ。
 実話をベースにすることが多い。新入社員が上司からの飲み会を“行きたくないのに行きたい感”を出しながら断るコントは、放送作家からの誘いを何とかかわそうとする一平がモデル。試食コーナーのソーセージで感動する大学生は、一平が居酒屋でホタルイカの沖漬けのおいしさに涙を流したことがネタ誕生のきっかけだ。

 リアルさを追求するためのさらなる秘密がある。食べ物が登場するコントは、食べているフリで済ますことが多いが、彼らは本物の食べ物を使う。そのため、試食コーナーのネタを披露する際は、仕込みは前日にスーパーでソーセージを買うところからスタート。当日の朝に自宅で焼いて会場に持ち込む。これは一平の担当で、番組のスタッフが準備しようとしても「自分の好みの味がいいので」と断るほどのこだわりぶりだ。「シャウエッセンが一番おいしい。カットは厚めに斜めに。皮は少し焦げたくらいがベスト」。ネタ作りのこだわりならぬソーセージ作りのこだわりを熱く語った。

 「おいしいソーセージを食べた方がいいコントができる」。コント中のリアクションは、心の底から美味しいと思っているからこそなのだ。素に近いリアクションを引き出すために、台本はあえて固めない。「脳裏にちょっとセリフをよぎらせるくらいの感じでやった方が、らしさが出る」(星野)。様々なシチュエーションに一平を放り込み、どんな反応をするのかを観察している。ここまでくると、どこからが演技でどこまでが素なのか分からない。リアルさを飛び越えて、まるでドキュメンタリーだ。

 これは一平のつかみどころのないキャラクターがあってこそ。この日の取材中も、おもむろに空になったアイスコーヒーのカップに水を投入。コーヒー風味の冷たい水を何食わぬ顔でゴクゴク飲み出した。そもそも居酒屋の料理がおいしすぎて泣くなんてあまりに感情豊かだ。

 「40歳、50歳と年を重ねてトリッキーなおじさんになればなるほど楽しいだろうな」。(星野)予測不能な相方がいる限りネタの可能性は無限。2人が織りなすちょっぴり不思議な日常に観客を誘う。

 〇…4月9日に開催される「ワタナベお笑いNo.1決定戦2023決勝」に出場する。決勝に進出するのは5回目で、目指すはもちろん優勝。一平は「絶対に優勝して2023年度の弾みをつけたい!」と気合い十分だ。昨年に結婚したばかりの星野は、義理の母親が会場に応援に来る予定。「お義母さんにいいところを見せたいと思います!」と恩返しを誓った。

◇Gパンパンダ
 星野光樹(ほしの・こうき)1992年(平4)7月4日生まれ、東京都出身の30歳。特技は大量暗記。趣味はイチローの名言を集めること。
 一平(いっぺい)1992年(平4)6月12日生まれ、東京都出身の30歳。特技はなわとび、ボイスパーカッション。趣味はゲーム。
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