内田也哉子さん 母・樹木希林さん「がんをありがたがった」ワケ 最期は眠るように「母らしい幕の閉じ方」
2023年04月17日 14:55
芸能
さらに「彼女のがんは進行が遅かったので、ある程度、準備する時間がある。自分の葬儀のためのお金とか、そういうものもをきっちり残して。“これは裕也のためね!”って説明してくれて。何から何まで最後はお墓も2人でリノベーションしたりして。“この辺変えようか”って、凄く楽しく、死に向かって行けた。私としては寂しさはあったんですけど、母自身に悲壮感はなくて、1つずつちゃんと味わうっていうスタンスでいたので、それはありがたかったですね」と話した。
希林さんは亡くなる1カ月前に大腿骨を骨折してしまった。これも転んだわけではないといい、「がんの影響で骨がもろくなっていて、ちょっとバランスを崩して、骨が折れてしまった」そうで、その後、救急病院へ搬送され、緊急手術を受けたといい、「治療をしながらでも、がんのせいで体が弱って、あっという間に1カ月に衰弱しきってしまった」と明かした。
入院中、亡くなる3日前に「もうそろそろ家に帰ろうかと思う」と言い出したそうで、家族は「いろいろな治療を受けているのに、それは無理でしょ?」と驚いたというが、主治医からは「よく分かりましたね。今、このタイミングを逃したら、もうお家には帰れません!」と思わぬ言葉をかけられたといい、希林さんはずっと「自分の家で、日常の中で死んでいきたい」と言っていたこともあり、「それだけは叶えてあげたい」という思いで、急いで自宅へ戻る準備をしたという。
レンタルベッドや呼吸器、看護師の手配などをして、翌々日には帰宅が実現。「凄くほっとした顔で、いただきもののぶどうを飲み込みはしなかったですけど、口の中で味わって、“じゃあ、お休み。私も久しぶりにぐっすり眠れそうだわ!”って言ったら、母が手招きして、声は出にくかったんですけど、“ありがとう”って3回続けて言って。私もびっくりしちゃって。“そんなこと言ったら、終わっちゃうみたいだから止めてよ”って言って、握手だけして看護師さんが付いていてくださったので私は上に上がった」と振り返った。
その後、様態は急変。看護師から数時間後に内線で「ちょっと様子が変なので、みなさん、家族全員降りてきてください」と呼ばれたといい、海外留学中だった長女以外は自宅にいたそうで、夫の内田裕也さんにも電話で連絡。「夜中でしたけど電話だけして、取ってくれたので、“お父さん今、お母さんがもうお別れだけど、声をかけてあげて”って言ったら、本人はびっくりしちゃって、オロオロしちゃって。(それでも本名)“啓子、啓子、しっかりしろ!”って声掛けして。それまで意識が遠くなってたんですけど、裕也の声が聞こえた時に、(手を握っていた)孫のUTAが“ばあばがギューと握り返した”って(言っていた)。全部聞こえてる、って(と伝えた)」と回顧。「痛みもなく、眠るようにお別れができた。母らしい幕の閉じ方だなと思いました」と話した。