鈴木亮平、40歳「さあ人生の後半」「より取捨選択」“感動の種類”に意識 仕事も旅行も 不惑の心境語る
2023年04月26日 10:45
芸能
【劇場版「TOKYO MER～走る緊急救命室～」鈴木亮平インタビュー（下） 】
俳優の鈴木亮平（40）が主演を務め、新しい医療ドラマとして大ヒットした2021年7月期のTBS日曜劇場「TOKYO MER～走る緊急救命室～」の劇場版（監督松木彩）が28日に公開される。連続ドラマ、スペシャルドラマを経て、さらにスケールアップ。3月29日に節目の40歳を迎えたばかりの鈴木に、今後の展望を聞いた。
「僕のヤバイ妻」「グランメゾン東京」「マイファミリー」などの話題作を生み続ける黒岩勉氏がオリジナル脚本を手掛けた本格救命医療ドラマ。都知事の号令の下、新設された救命救急のプロフェッショナルチーム「TOKYO MER」の奮闘を活写し、SNS上などで大反響。コロナ下の医療従事者に勇気を与えた。
「MER」とは「モバイル・エマージェンシー・ルーム」の略称。チームは最新医療機器とオペ室を搭載した大型車両“動く手術室”「ERカー」を駆使。危険極まりない事故・災害・事件の現場に駆けつけ、救命活動にあたる。
「待っているだけじゃ、助けられない命がある」――。アクション映画に勝るとも劣らないスピード感とスケール感、特撮ドラマのようなヒーロー感とチーム感が視聴者の心をわしづかみに。毎回、極限のオペが行われるスリリングな展開に加え、同局看板枠・日曜劇場初主演となった喜多見幸太役・鈴木の熱血ぶりや的確な処置、バディ音羽尚役・賀来賢人のツンデレぶりなども話題沸騰。同年夏ドラマNo・1のヒット作となった。
映画化は22年1月に発表され、黒岩氏、松木監督、主要キャストが続投。今月16日には劇場版公開を記念した新作スペシャルドラマ「隅田川ミッション」も放送され、12・9％の好視聴率（ビデオリサーチ調べ、関東地区、平均世帯）をマーク。喜多見の驚異的な“リモート・トリアージ（傷病者の状態に応じ、治療の優先順位を決めること）”などが反響を呼び、約1年半ぶりの復活ながら「#TOKYOMER」がツイッターの世界トレンド1位に輝いた。
そして、劇場版も完成。気は早いものの「TOKYO MER」の次回作について尋ねると、鈴木は「また皆さんが劇場版も愛してくださって、続編を作ることができるとなったら、単純にメンバーの生い立ちやプライベートはもっと見てみたいと個人的には思っています。（臨床工学技師の）徳丸君（佐野勇斗）の生い立ちとか、（即応対処部隊隊長の）千住さん（要潤）のプライベートとか、まだまだ掘り下げることができる部分はいっぱいありますよね」と明かした。
徹底的な役作りをはじめ、主人公・西郷隆盛役を生き抜いた18年のNHK大河ドラマ「西郷どん」、冷徹極まりないヤクザ・上林成浩役で各映画賞の助演男優賞を総なめにした21年公開作「孤狼の血 LEVEL2」（監督白石和彌）など、変幻自在ぶりに一層、磨きがかかる。「TOKYO MER」の喜多見は、新たな当たり役に。不惑を迎え、鈴木はどこへ向かうのか。
インタビュー室のお菓子に手を伸ばし「まさか40歳になっても、こんなにお菓子を食べるとは（笑）。もともと甘いものは好きで、今日は花粉症で少しだけ喉をやられているのもあるんですけど、それは置いておいて」とジョークを飛ばしながら「30歳になった時は年齢のことは何とも思わなかったんですが、40歳は重要に捉えています」と切り出した。
「折り返しと言えば折り返し、人生の中間地点。残された時間と、自分ができること、やりたいことをより取捨選択していかないといけないな、という思いが強くなりました。後半の入り口に差し掛かったという意味では、そう考えるのは早すぎる、という気はしないんです。自分が人生を終える時、どういう人間であったか、何を成し遂げていられるか。なので、40歳になった時は『40代、何をしようか』というより『さあ後半、何をしようか』という感じでしたね」
「例えば医療従事者の方々の崇高さも伝えられる『MER』のように、どういう種類の『感動』を与えられるか、ということを考えるようになりました。偉そうに言うつもりは全然ないんですけど、自分の仕事が人や社会に対して少しでもポジティブな影響を与えられた、と感じられることが単純に僕の喜びなんです。もちろんエンタメに振り切った作品も含めて、どれだけ自分がワクワクできるかを大事にしていきたいと思っています」
40代のプライベートは？と水を向けると「旅に行きたいですよね、長期で。50代になると、体力とともに心の好奇心も落ちていく可能性があるじゃないですか。今行かないと、もったいない。一番行けるのは今だぞ、と。でも、一番働けるのも今じゃないですか。どっちを取るのが正解なんですかね。休みは取れるんですけど、『じゃあ、この仕事は断っておきますね』と言われると困ってしまう。僕、働くのが好きなんですよね（笑）」と迷いも。
世界遺産検定1級の持ち主としてもおなじみだが、今、最も興味があるのは「3週間、エジプトですね。最低2週間。それより短いなら、行きたくないぐらい」。今年3月には、首都カイロ近郊ギザにあるクフ王のピラミッド内部に通路のような形をした空間が新たに見つかったと発表された。エジプトの魅力を尋ねると「それには、あと1時間ほどお時間を頂かないと（笑）」。次回作もエジプト旅行の土産話も、欲張りに楽しみに待ちたい。
◆「劇場版TOKYO MER～走る緊急救命室～」あらすじ 横浜・ランドマークタワーで爆発事故が発生。SPドラマのラストに新ERカー「YO1」が登場した「YOKOHAMA MER」は冷徹なエリート集団。チーフドクター・鴨居友（杏）の信念は「安全な場所で待っていなくては、救える命も救えなくなる」と喜多見（鈴木亮平）とは真逆のものだった。そして、ビルの中に喜多見と再婚した高輪千晶（仲里依紗）が取り残されていることが判明。妊娠後期の千晶は切迫早産のリスクを抱えていた…。
＝インタビューおわり＝
「MER」とは「モバイル・エマージェンシー・ルーム」の略称。チームは最新医療機器とオペ室を搭載した大型車両“動く手術室”「ERカー」を駆使。危険極まりない事故・災害・事件の現場に駆けつけ、救命活動にあたる。
「待っているだけじゃ、助けられない命がある」――。アクション映画に勝るとも劣らないスピード感とスケール感、特撮ドラマのようなヒーロー感とチーム感が視聴者の心をわしづかみに。毎回、極限のオペが行われるスリリングな展開に加え、同局看板枠・日曜劇場初主演となった喜多見幸太役・鈴木の熱血ぶりや的確な処置、バディ音羽尚役・賀来賢人のツンデレぶりなども話題沸騰。同年夏ドラマNo・1のヒット作となった。
映画化は22年1月に発表され、黒岩氏、松木監督、主要キャストが続投。今月16日には劇場版公開を記念した新作スペシャルドラマ「隅田川ミッション」も放送され、12・9％の好視聴率（ビデオリサーチ調べ、関東地区、平均世帯）をマーク。喜多見の驚異的な“リモート・トリアージ（傷病者の状態に応じ、治療の優先順位を決めること）”などが反響を呼び、約1年半ぶりの復活ながら「#TOKYOMER」がツイッターの世界トレンド1位に輝いた。
そして、劇場版も完成。気は早いものの「TOKYO MER」の次回作について尋ねると、鈴木は「また皆さんが劇場版も愛してくださって、続編を作ることができるとなったら、単純にメンバーの生い立ちやプライベートはもっと見てみたいと個人的には思っています。（臨床工学技師の）徳丸君（佐野勇斗）の生い立ちとか、（即応対処部隊隊長の）千住さん（要潤）のプライベートとか、まだまだ掘り下げることができる部分はいっぱいありますよね」と明かした。
徹底的な役作りをはじめ、主人公・西郷隆盛役を生き抜いた18年のNHK大河ドラマ「西郷どん」、冷徹極まりないヤクザ・上林成浩役で各映画賞の助演男優賞を総なめにした21年公開作「孤狼の血 LEVEL2」（監督白石和彌）など、変幻自在ぶりに一層、磨きがかかる。「TOKYO MER」の喜多見は、新たな当たり役に。不惑を迎え、鈴木はどこへ向かうのか。
インタビュー室のお菓子に手を伸ばし「まさか40歳になっても、こんなにお菓子を食べるとは（笑）。もともと甘いものは好きで、今日は花粉症で少しだけ喉をやられているのもあるんですけど、それは置いておいて」とジョークを飛ばしながら「30歳になった時は年齢のことは何とも思わなかったんですが、40歳は重要に捉えています」と切り出した。
「折り返しと言えば折り返し、人生の中間地点。残された時間と、自分ができること、やりたいことをより取捨選択していかないといけないな、という思いが強くなりました。後半の入り口に差し掛かったという意味では、そう考えるのは早すぎる、という気はしないんです。自分が人生を終える時、どういう人間であったか、何を成し遂げていられるか。なので、40歳になった時は『40代、何をしようか』というより『さあ後半、何をしようか』という感じでしたね」
「例えば医療従事者の方々の崇高さも伝えられる『MER』のように、どういう種類の『感動』を与えられるか、ということを考えるようになりました。偉そうに言うつもりは全然ないんですけど、自分の仕事が人や社会に対して少しでもポジティブな影響を与えられた、と感じられることが単純に僕の喜びなんです。もちろんエンタメに振り切った作品も含めて、どれだけ自分がワクワクできるかを大事にしていきたいと思っています」
40代のプライベートは？と水を向けると「旅に行きたいですよね、長期で。50代になると、体力とともに心の好奇心も落ちていく可能性があるじゃないですか。今行かないと、もったいない。一番行けるのは今だぞ、と。でも、一番働けるのも今じゃないですか。どっちを取るのが正解なんですかね。休みは取れるんですけど、『じゃあ、この仕事は断っておきますね』と言われると困ってしまう。僕、働くのが好きなんですよね（笑）」と迷いも。
世界遺産検定1級の持ち主としてもおなじみだが、今、最も興味があるのは「3週間、エジプトですね。最低2週間。それより短いなら、行きたくないぐらい」。今年3月には、首都カイロ近郊ギザにあるクフ王のピラミッド内部に通路のような形をした空間が新たに見つかったと発表された。エジプトの魅力を尋ねると「それには、あと1時間ほどお時間を頂かないと（笑）」。次回作もエジプト旅行の土産話も、欲張りに楽しみに待ちたい。
◆「劇場版TOKYO MER～走る緊急救命室～」あらすじ 横浜・ランドマークタワーで爆発事故が発生。SPドラマのラストに新ERカー「YO1」が登場した「YOKOHAMA MER」は冷徹なエリート集団。チーフドクター・鴨居友（杏）の信念は「安全な場所で待っていなくては、救える命も救えなくなる」と喜多見（鈴木亮平）とは真逆のものだった。そして、ビルの中に喜多見と再婚した高輪千晶（仲里依紗）が取り残されていることが判明。妊娠後期の千晶は切迫早産のリスクを抱えていた…。
＝インタビューおわり＝
