是枝裕和監督 坂本龍一さんとのタッグが「誇り」 カンヌ国際映画祭出品「怪物」完成披露
2023年05月09日 05:30
芸能
同作の編集段階から坂本さんの音楽を想定しており、既存の曲を仮に当てた映像に手紙を添えてオファー。坂本さんからは「とても面白くて、何曲かイメージが浮かんでいる。作ってみるので、良かったら使ってください」と快諾の返事が届いたという。
新曲はピアノ曲2曲だけだったが、今年1月に発売したアルバム「12」の曲や仮当てしていた曲などで全体を構成した。是枝監督は「映画を見て作っていただいたのではと思えるほどマッチしていて、作品の中から聴こえてくるような存在。本当に感謝しています」としみじみ話した。
「怪物」は、大きな湖のある郊外の町が舞台。息子を愛するシングルマザー、学校教師、秘密を抱えた子供たちのそれぞれの視点で、ある事件とその結末が描かれる。カンヌには是枝監督のほか脚本の坂元裕二氏(55)、主演の安藤サクラ(37)、永山瑛太(40)らが参加する。コンペ出品は7度目で、18年「万引き家族」以来、日本人では今村昌平監督に次ぐ2人目となる2度目のパルムドール(最高賞)の期待がかかるが、「参加できない人の分まで楽しんできたい」と謙虚に話した。その上で「いいチームができて素晴らしい映画になったと確信している」と自信ものぞかせた。安藤は「万引き家族」でも参加しているが、その時はNHK朝の連続テレビ小説「まんぷく」の撮影中だったためトンボ返りで「今度はしっかり、じっくり味わおうと思う」と声を弾ませた。 (鈴木 元)