寺島しのぶ 女優道でちらついた母・富司純子の評判「“素晴らしかった”とか、武勇伝しか聞かない」
2023年05月12日 22:36
芸能
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ラミレス氏からは「20代のころ両親の存在でつらい思いをしたことはありますか?期待が大きすぎてとか」と質問が飛んだ。すると寺嶋は「すごいありましたね」と回答。その多くは、富司についての周囲の評判だったという。「いざ女優になってみると、いろんなところで“お母さんは素晴らしかった”とか、“お母さんはきれいだった”という武勇伝しか聞かないんですよね。それで縮こまりなりそうになりながらも、そこを超えていかないと自分はダメなんだなと常に思っていた。反骨精神しかなかった。1人の独立した女優になりたいとか。そういうことで、ものすごい突っ張っていた」。一方で、「若い時はホント、なめ切っていたと思う」とも打ち明けた。
チャンスをつかんだのは映画「赤目四十八瀧心中未遂」主演。原作は直木賞受賞作で、作品に心底惚れ込んでいた寺嶋が、出版社に自らPRの手紙を送って主演をつかみ取った意欲作だった。しかし、ここで立ちはだかったのが母だった。
「『赤目四十八瀧心中未遂』の台本は、本当にいろんなセックスシーンがあって。それをたまたま、うちの母がいる家に置いて行っちゃったんですよ。台本を」
過激な性描写が多い作品だったためで、富司からは猛反対されたという。「“あんた、何てことするの!”って言って。“これはどんな結果になるか分かってるのね?”って言われて。私は一つのパートだけで、何も気にならなかった。“意味が分からない”と言ってて。だけどお母さんは“年を取った時に見直したらきっと後悔する”って、断定で言ってきたんですよ」。しかし、運命の役に巡り合った寺嶋はひるまなかったそうで、「私も“スパイシー”だから、“やってみないと分からないじゃん!”って、すごい戦いましたけどね」と思いを貫いたという。
寺嶋はこの作品で、毎日映画コンクール、日本アカデミー賞、ブルーリボン賞など各映画賞の主演女優賞をほぼ総なめ。自分の判断が正しいことを、結果をもって証明した。