藤井王将、名人戦第3局始まる　戦型は矢倉…藤井が10手目で新趣向披露「角不交換シリーズ」に

　渡辺明名人（39）が挑戦者に藤井聡太王将（20）＝竜王、王位、叡王、棋王、棋聖を含む6冠＝を迎える第81期名人戦（毎日新聞社、朝日新聞社主催）7番勝負第3局は13日午前9時、大阪府高槻市の高槻城公園芸術文化劇場で1日目が始まり、戦型は先手渡辺の矢倉になった。正午からの昼食休憩までに29手進み、お互い飛先の歩を5段目まで伸ばし、右桂は3段目に跳ねた。 　藤井がいきなり新趣向を見せた。角換わりの出だしになり、10手目で藤井から角交換に進むかと見られたが一転、角道を閉ざして角交換を拒否した。

　角換わりは藤井の得意戦法。10手目の局面で、千日手を含む過去8局、藤井は全て角交換を選んだが、第1、2局共に渡辺から角道を閉ざす将棋を藤井が制した経緯があった。

　加えて10手目の局面で角交換に進んだ藤井の将棋は、過去5勝2敗1千日手。ところが17年の豊島将之九段戦、昨年竜王戦第1局の広瀬章人八段戦と連敗していた。角交換拒否がこの局面で藤井が温めた改良策と見られ、今期名人戦は「角不交換シリーズ」の様相になった。

　午前のおやつは渡辺がレモンのモンブラン、藤井がパインわらびで飲み物は両者アイスカフェラテ。昼食は渡辺が鰻定食、藤井は2種あいがけカレー。午後1時から対局再開される。