猿之助代役の中村壱太郎 坂田藤十郎さん、扇千景さんの孫 上方歌舞伎中心に活躍する実力派若手女方

2023年05月24日 18:02

芸能

猿之助代役の中村壱太郎 坂田藤十郎さん、扇千景さんの孫 上方歌舞伎中心に活躍する実力派若手女方
歌舞伎俳優の中村壱太郎 Photo By スポニチ
 松竹は24日、歌舞伎俳優の市川猿之助(47)が出演予定だった「六月大歌舞伎」昼の部「傾城反魂香」の配役を変更すると発表。猿之助が務める予定だった「又平女房おとく」役は中村壱太郎(かずたろう、32)が務めると発表した。
 松竹は代役変更の発表とともに、公式サイトで「市川猿之助に関しまして」と題した変更理由を発表。「市川猿之助に関しましては、引き続き、お客様をはじめ、関係者の皆様に多大なるご迷惑、ご心配をおかけいたしておりますことを改めて深くお詫び申し上げます」とし「市川猿之助につきましては、今なお、当局等による対応が続いており、弊社としましても引き続き各方面からの情報把握に努めておりますが、現時点におきまして来月の公演に出演することは困難と判断し、本日の発表内容を決定いたしました」と説明した。

 「六月大歌舞伎」昼の部「傾城反魂香」は6月3日に初日を迎える。「傾城反魂香」は、伯父の市川猿翁(83)が「三代猿之助四十八撰」に定める澤瀉(おもだか)屋のお家芸の一つで、今回は同じ一門の市川中車(香川照之、57)と夫婦役だった。

 幸い「傾城反魂香」は人気演目の一つで、これまで繰り返し上演されている。猿之助が演じる予定だったおとくも、多くの役者によって演じ継がれてきている。

 代役に決まった壱太郎は中村鴈治郎の長男で、父方の祖父は20年に死去した人間国宝の坂田藤十郎さん、祖母は今年3月に死去した元参院議長で俳優の扇千景さん。

 1991年11月、京都南座で「廓文章」の藤屋手代で初お目見得。1995年1月、大阪中座「五代目中村翫雀・三代目中村扇雀襲名披露興行」で「嫗山姥(こもちやまんば)」の一子公時(きんとき)で初代中村壱太郎を名のり初舞台を踏んだ。

 上方歌舞伎を中心に活躍する女方のホープとの呼び声が高く、2018年「三月大歌舞伎」では坂東玉三郎演出「滝の白糸」でヒロインを演じたほか、同じく玉三郎が監修した「お染の七役」で早替わりの男女七役を務めた。女方の最高峰で人間国宝でもある玉三郎の直接指導を受け、大役を演じる機会も増えている。

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