猿之助代役の中村壱太郎 坂田藤十郎さん、扇千景さんの孫 上方歌舞伎中心に活躍する実力派若手女方
2023年05月24日 18:02
芸能
「六月大歌舞伎」昼の部「傾城反魂香」は6月3日に初日を迎える。「傾城反魂香」は、伯父の市川猿翁(83)が「三代猿之助四十八撰」に定める澤瀉(おもだか)屋のお家芸の一つで、今回は同じ一門の市川中車(香川照之、57)と夫婦役だった。
幸い「傾城反魂香」は人気演目の一つで、これまで繰り返し上演されている。猿之助が演じる予定だったおとくも、多くの役者によって演じ継がれてきている。
代役に決まった壱太郎は中村鴈治郎の長男で、父方の祖父は20年に死去した人間国宝の坂田藤十郎さん、祖母は今年3月に死去した元参院議長で俳優の扇千景さん。
1991年11月、京都南座で「廓文章」の藤屋手代で初お目見得。1995年1月、大阪中座「五代目中村翫雀・三代目中村扇雀襲名披露興行」で「嫗山姥(こもちやまんば)」の一子公時(きんとき)で初代中村壱太郎を名のり初舞台を踏んだ。
上方歌舞伎を中心に活躍する女方のホープとの呼び声が高く、2018年「三月大歌舞伎」では坂東玉三郎演出「滝の白糸」でヒロインを演じたほか、同じく玉三郎が監修した「お染の七役」で早替わりの男女七役を務めた。女方の最高峰で人間国宝でもある玉三郎の直接指導を受け、大役を演じる機会も増えている。