猿之助出演映画「緊急取調室　THE　FINAL」2度目の公開延期か　昨年は安倍元首相銃撃事件で

　東京都目黒区の自宅で倒れた状態で見つかった歌舞伎俳優の市川猿之助（47）が出演している映画「緊急取調室　THE　FINAL」（監督常廣丈太）の初日が16日に迫った。公開か延期かは作品のファンにとって大いに気になるところだが、製作母体のテレビ朝日や配給の東宝は5月31日時点でも結論を出していない。 　その理由について関係者は「両親が亡くなった件で猿之助が自殺ほう助などの罪に問われるかどうかを見極めたいのだろう」と指摘する。作品は、超大型台風の連続発生で招集された災害対策会議に10分遅れた首相が襲撃される事件が発生。首相自らも取り調べの対象となるストーリー展開で、猿之助が首相を演じている。

　当初は昨年の公開を予定していたが、本紙の取材では、昨年7月に安倍晋三元首相が銃撃されて死亡する事件が起こったため、公開の延期を余儀なくされた経緯があった。

　1年待って今度は首相役の猿之助のトラブル。関係者は「2014年に始まったテレビシリーズを映画で完結させる今作。主演の天海祐希さんのことを思えば、2度の延期はしのびない」と話し、この点がなかなか結論を出せない一因にもなっているとの見方を示した。

　今後予想される展開は（1）「映画に罪はなし」と予定通り公開する（2）いったん延期し、捜査状況を見ながら既に完成している作品をそのまま上映する（3）延期し、猿之助に代役を立てて撮り直す。ただし、天海以外の共演者も売れっ子が多く、スケジュール調整の難航は必至で新たな公開時期は見通せない（4）今作の企画は白紙に戻して全く新しい脚本で撮り直す（5）お蔵入り…などが考えられる。

　製作サイドは何としても「お蔵入り」だけは避けたいところだが、残された時間は多くない。近く何らかの発表がありそうだ。