TBS熊崎風斗アナ 「バレーは分かりやすく奥が深い」 ネーションズリーグ実況
2023年06月06日 08:30
芸能
男女とも16チームが参加する大会で、既に女子の4試合が終了。女子はここまで3勝1敗だが、エース兼主将の古賀紗理那らの活躍に加え、初出場の荒木彩花らの躍進があった。6日には男子の試合がスタートする。
「男子はアウトサイドの左にイタリアでプレーしている石川祐希、高橋藍、右に破壊力のある西田有志、セッターに関田誠大がいます。ミドルブロッカーの選手たちが『サイドの選手は世界でもトップレベル。自分たちが日本の伸びしろ』と話すようにミドルの活躍が日本のポイントになると思います。ミドルが活躍するということは日本のレシーブが安定しているということにもなります。新しい選手としては、2メートルの甲斐優斗に注目しています。アウトサイドは基本的に石川と高橋藍ですが、甲斐もどこかで出てくるでしょうし、活躍が楽しみです。それは秋の五輪予選、来年の五輪につながります」
放送されるのはゴールデンタイム。同じ時間帯にはプロ野球中継やサッカー中継などがあり、スポーツ・コンテンツ群雄割拠の状況だ。
「バレーは分かりやすく、奥が深い競技です。まずルールが非常に分かりやすく、私も小、中学生の頃からルールを良く知らないまま見ていました。実況するようになって細かいところまで見るようになりましたが、知れば知るほど奥が深い。例えば、アタックが決まる場面です。当然、決めた選手は目立ちますが、大事なのは、そこに至るまでの他の選手たちの動きです。単純にエースが打てば決まるというものではなく、ミドルの選手が相手のブロッカーに脅威を与えたりすることで決まるのです。実況する時も、そういう周囲の状況を意識しています」
自身は入社11年目で、これまでさまざまなスポーツ実況で活躍してきたが、バレー実況の世界ではまだ若手だという。
「課題はあります。実況では、ボールがある側を中心に見るのですが、相手側にも目を向けることが大事です。例えば、サーブを打つ場面で、相手側のレシーブが3人で構えていたのに急に4人になったりします。そういう動きまで伝えると、バレーの魅力がさらに伝わると思います。私もまだ見逃しているところが多い。バレーはさまざまな動きが同時多発するという点で、実況が難しい競技のひとつです」
この大会で熊崎アナが実況を担当する初戦が、11日の男子・日本対フランス戦だ。
「今大会の中でもぜひ注目していただきたい試合です。フランスは東京五輪で金メダルで、次のパリ五輪で連覇を目指しています。タレントがそろっていて面白いチームです。昨年の世界バレーで日本は決勝トーナメント・ラウンド16で対戦してフルセット負けしましたが、手応えがありました。ここで勝てば世界のトップクラスにいると言えるでしょう」
男子は6日が対イラン戦、9日が対セルビア戦、10日が対ブルガリア戦…。女子は14日が対セルビア戦、16日が対韓国戦、17日が対ドイツ戦、18日が対米国戦…。いずれも今後の試金石になる試合で、見逃せない。
◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。