高良健吾「ご自宅で手料理を」「たまに文ちゃんと…」中島監督との「大切な思い出」の数々振り返り追悼

2023年06月15日 16:02

芸能

高良健吾「ご自宅で手料理を」「たまに文ちゃんと…」中島監督との「大切な思い出」の数々振り返り追悼
高良健吾 Photo By 提供写真
 「木枯し紋次郎」などの時代劇、「日本の首領(ドン)」シリーズなどのヤクザ映画など数多くの作品を手がけた映画監督の中島貞夫さんが11日夕方、肺炎のため京都市内の病院で死去したことが分かった。88歳。千葉県出身。葬儀は近親者で執り行われた。
 訃報を受け、俳優の高良健吾(35)は「中島貞夫監督の現場に立てた事。中島監督の生き様、姿勢に触れることができた事。中島監督と過ごした時間は大切な思い出です。中島さんがご自宅で手料理を振る舞ってくれた事がありました。今まで中島さんが親交のあった錚々たる俳優の方々も中島さんのご自宅によく集まっていたと聞いていたので、自分もその一員になれた気がしました。そこでは、中島さんの歴史、東映の歴史の話をしていただきましたが、当時の映画の現場の熱量を体験してるのかと錯覚するくらい中島さんの話は知的で面白い。楽しい。中島さんからは、こうらちゃんと呼ばれていました。毎回、呼ばれるたびに嬉しかった。たまに文ちゃんと呼び間違える事があったのですが、文ちゃんは菅原文太さんの呼び名です。その呼び間違えさえも、光栄で嬉しかった」と数々の思い出を回想。「中島さんの現場での言葉の重みはとにかく深くて。シンプルで。一言の演出が、役を深くしていく経験は初めてでした。中島さんの映画に向き合う力を近くで感じる事ができた僕は幸せです。中島さんと過ごした時間、残してきたものは忘れません。大切にします。今日も中島さんから頂いた椅子に座ってタバコを吸っています。中島さん。ゆっくりしてくださいね。ありがとうございました」と深い思いを、天国の恩師に捧げた。

 中島監督は東京大卒後、東映に入社。「日本映画の父」と呼ばれた牧野省三の息子であるマキノ雅弘、今井正両監督らに師事し、64年に「くノ一忍法」で監督デビューした。66年には青春群像劇「893愚連隊」で、日本映画監督協会新人賞を受賞。東映のエースとして、菅原文太さん主演の「木枯し紋次郎」(72年)を監督した。

 深作欣二監督とともに、「極道の妻たち」シリーズなど実録ヤクザ映画路線を築いた。名タッグとなる松方弘樹さんの主演作品「脱獄広島殺人囚」「沖縄やくざ戦争」を数多く手がけ、「やくざ戦争 日本の首領(ドン)」などで高く評価された。2019年には、20年ぶりの新作「多十郎殉愛記」を公開するなど、晩年まで時代劇人気の復活にかける熱意を燃やし続けた。他の代表作に「真田幸村の謀略」「制覇」「序の舞」「瀬降り物語」など。

 後進の育成にも力を注いだ。87年から大阪芸大映像学科教授や学科長を務め、熊切和喜氏、山下敦弘氏、石井裕也氏ら監督を輩出した。また、京都映画祭の総合プロデューサー、京都国際映画祭の名誉実行委員長を務めた。
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