NHK総局長 「ニュースウオッチ9」BPO審議入りは「真摯に受け止める」

2023年06月21日 15:24

芸能

NHK総局長 「ニュースウオッチ9」BPO審議入りは「真摯に受け止める」
東京・渋谷のNHK社屋 Photo By スポニチ
 NHKの山名啓雄メディア総局長(59)が21日、東京・渋谷の同局で定例会見を行い、「ニュースウオッチ9」での新型コロナを巡る報道を巡り、放送倫理違反の疑いで放送倫理・番組向上機構(BPO)の審議入りしたことについてコメントした。
 山名総局長は「(審議入りは)真摯に受け止めていまして、調査には協力してまいりたい」と見解。BPOに対しては6月上旬に「NHKの調査に確認できたこと」について報告を行ったとし、「現在も我々としましては関係者へのヒアリングを行うなど、引き続き調査を行っている」と説明。今後も「BPOからの要請があれば、当然、真摯に対応していく」とした。

 先月15日の同番組のエンディングで「新型コロナが5類に移行して一週間が経ちました」「今夜はこちらの映像とともにお別れです」とアナウンサーが伝えて映像を放送。「戻りつつある日常 それぞれの思い」というタイトルの映像では、兵庫・神戸港を出港するダイヤモンド・プリンセス号や、夫を亡くした女性の「いったいコロナって何だったんだろう」というコメントや、父を亡くした男性の「5類になったとたんにコロナが消えるわけではない。風化させることはしたくない」、母を亡くした女性の「遺族の人たちの声を届けていただきたい」というコメントをテロップで伝えたが、3人がワクチン接種後に亡くなった人の遺族との説明はなかった。遺族側はNHK側に抗議し謝罪を求めていた。

 放送翌日の16日、NHKは公式サイトで「5月15日に『新型コロナ5類移行一週間・戻りつつある日常』と題したVTRを放送し、ツイッターでも配信しましたが、コロナウイルスに感染して亡くなったと受け取られるように伝え、ワクチンが原因で亡くなったというご遺族の訴えを伝えていませんでした。適切ではありませんでした。深くおわびいたします」と謝罪。同日の番組でも番組の田中正良キャスターが「コロナ禍を振り返りご遺族の思いを伝えるという考えで放送しましたが、適切ではありませんでした。取材に応じてくださった方や視聴者の皆様に深くおわび申し上げます」と話したうえで、3人のキャスターが頭を下げた。

 山名総局長は先月24日の定例会見でも、今回の事案について「今回の放送は伝え方が適切ではなく、取材に応じてくださった皆さん、視聴者の皆さんに深くお詫びを申し上げたい」と陳謝。続けて「放送ガイドラインでは取材・制作の基本姿勢として、編集に当たっては誤解を与えてはいけないとしている。今回の動画で、ワクチン接種後に亡くなった方のご遺族だと正確に伝えず、新型コロナに感染して亡くなった方だと受け取られるような伝え方をしてしまったことは適切ではなかったということでございます」と説明。原因については「関係者にヒアリングを行い、調査中」であるとしたうえで「問題点を洗いだしたうえで、再発防止策の徹底に努めてまいりたい」と話していた。
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