辛坊治郎氏 タイタニックツアーで不明の潜水艇「相当、厳しい状況にある」メカニックや通信手段を説明

2023年06月21日 18:27

芸能

辛坊治郎氏 タイタニックツアーで不明の潜水艇「相当、厳しい状況にある」メカニックや通信手段を説明
辛坊治郎氏 Photo By スポニチ
 キャスター辛坊治郎氏(67)が21日、パーソナリティーを務めるニッポン放送「辛坊治郎ズーム そこまで言うか!」(月~木曜後3・30)に出演。沈没した英豪華客船タイタニック号の残骸を見る観光ツアーで行方不明になった潜水艇に言及した。
 辛坊氏は「時系列で言うと18日に潜水開始。開始と言っても深海に潜ってから、タイタニックが沈んでる3800メートル、4000メートルぐらいまで沈んでから電気モーターのスクリューで徘徊しながらタイタニックを見ることができるんですが、普通の潜水艦みたいに長い距離を自力で降りていく装置があるわけじゃない。基本的に重りを付けて、深海まで降りて中性浮力でタイタニックが沈んでる周りを動き回るモーターは付いてるんですけど、そのモーターで4000メートルを行ったり来たりする力はないんですよ」と今回の潜水艇のメカニックを説明。

 それだけに「浮上が最もキーになるので多重の浮上装置を積んでるのは間違いないんですよ」とし、「ところがそうなると、大きな疑問があるわけですよ。沈んだ状況に現状あるとも限らないんです。何が言いたいかと言いますと、浮上してても連絡手段がないと、要するに浮上してても海面に漂ってても分からないってことがあって、恐ろしいのが海面に漂ってる状況でこの船、内側からハッチを開けるようになってないらしいんです。浮上してきたら周りから作業員がハッチをあけるシステムらしいので、となると、海底に沈んでいなくて海面漂っている状況でも4日過ぎるとアウトなんです。4日以内に発見しないと生命の危機が高まる」と残された酸素の量から潜水を始めた18日から4日以内に見つけなければならないとした。

 そして「時系列で見てると、潜り始めてから1時間40分ぐらいで連絡が途絶えたと。多くの人は無線が途絶えたと思ってますが、水の中は無線通りませんから。潜水艦と無線交信はできない。電波自体、水の中は届かないので大体、音波探知機なんです。音波を発信して海底に当たって返って来る。今回の行方が分からない船とどうやって母船と連絡取ってるかというと、簡単に言うとですね音響通信ってやつで、人間の言葉、文字みたいなのをデータを音響に変換するんです。モールス信号なんかはそう。そんな形でそれをデジタル化して、文字データをデジタル変換して音響に乗せて海中を発信する」と通信手段について説明。

 続けて「1時間40分後、微妙なのが海底に到達してるか、してないかギリギリの時間。4000メートルの海の底に沈むのに、ゆっくり沈んでいくから時間をかけて沈んでいって時間かけて浮上する。タイタニックの周りはもともと2時間ぐらい過ごす予定で、トータルが最大8時間。潜るのに2、3時間予定していた。1時間40分ていうのは連絡を絶った時点で海底に着いていたのか分からない」と今回の潜水艇が海底に沈んだかは定かでないとした。

 その上で「2つ考えられるのは電源装置その他を失ってる。あるいはタイタニックが沈んでいる状況でいろんなものでぐしゃぐしゃしてて、どっかに引っかかって動けなくなった可能性」とし「後者は低いと思う。身動きが取れなくなったら、身動きが取れないっていう情報をテキストデータで上にあげることができるから、完全に連絡遮断てことは電気系統の問題になるから。となると、緊急浮上装置も電気で動くのが大半で、バックアップで電源が全部落ちても浮上する装置は積んでたと思う」とした。

 最後に「緊急浮上してるけど見つけられない。これも恐ろしい。沈んでると4000メートルの深海まで行ってハッチ開けて助けるわけにいかない。船体ごと回収しないといけない。10トンを水中で海面まで引き上げるのが技術的には大変困難。相当、厳しい状況にあると残念ながら現状において言わざるを得ない」と語った。
【楽天】オススメアイテム