藤井聡太棋聖、7冠後初黒星 棋聖戦5番勝負第2局、1勝1敗に 竜切りの直後返し技に屈す
2023年06月24日 04:30
芸能
「最後の最後で、良くなったところはあったかなと思う。うまく切り返されて、負けにしてしまった」
勝っても負けても、棋聖戦の淡路島対局は熱戦になる。渡辺明九段(39)を挑戦者に迎えた一昨年第2局は、藤井にとってタイトル戦2番目の長手数171手での勝利。永瀬拓矢王座(30)との昨年第1局は千日手2度の末、史上初めて同日指し直しのトリプルヘッダーで敗れた。
22日の前夜祭。「対局室からの眺めが素晴らしく、集中できる対局室だな、と。淡路島は海の幸や特産品のタマネギをはじめ、食材が豊富で毎年楽しみ。第1局はベトナムで凄く暑かったですが、こちらは快適で過ごしやすい」。淡路島との好相性を語ったが、前期に続く連敗となった。
四段目へ逃走した佐々木王を、背後から追った藤井の竜切り。その直後、佐々木が盤面中央に角打ちの王手を放った。華麗な返し技。その角は藤井銀の利きにあり、元々取られる運命だったが、その藤井銀が動くことで王の逃走ルートが確保された。この角捨てが、藤井の読みから抜けていた。
過去15回のタイトル戦は15期獲得。つまり勝率100%の藤井だが、来秋、関西将棋会館が移転予定の大阪府高槻市でも昨年と今年のALSOK杯王将戦、5月の名人戦で1勝2敗。所属は関西本部だが、タイトル戦では関西地方で苦戦している。「本局は中盤で形勢を損ねた。次局以降終盤の競り合いに持ち込めるよう頑張りたい」と修正を誓った。
≪佐々木七段、逆転タイトル戦初勝利 角打ち王手「運良かった」≫この一言に思いが表れた。藤井の竜切りにひるむことなく103手目、盤面中央へ放った角打ちの王手で切り返しての逆転勝利。「運が良かった。1勝できてストレート(敗退)を回避できて良かった」。勝った佐々木が口にしたのは、3連敗によるシリーズ敗退への危機感だった。キープしたい先手番で採用した相掛かり。先手では過去55勝15敗、勝率・786を誇る佐々木のエース戦法で、ひとまず対戦成績をタイに戻した。
○…昼食メニューは藤井が淡路牛と淡路野菜のステーキ丼と、淡路島ぬーどるブイヤベース風スープ仕立てを双方ハーフサイズ、佐々木は淡路島牛丼だった。共に地元食材を使ったメニューを選んだ。午前のおやつは藤井が淡路島ブルーベリータルトとアイスコーヒー、佐々木は淡路島ブルーベリーコンポートとライチのムース、ホットコーヒー。午後は藤井がアイスレモンティーとオレンジジュース、佐々木は鳴門オレンジを使ったデザートとホットコーヒーだった。