さだまさし かつて35億円の借金も「倒れるまでやらせてよ」と走り続け見事に完済

2023年06月26日 13:08

芸能

さだまさし かつて35億円の借金も「倒れるまでやらせてよ」と走り続け見事に完済
さだまさし Photo By スポニチ
 シンガー・ソングライターさだまさし(71)が25日放送のTBS「日曜日の初耳学」(日曜後10・00)にゲスト出演。かつて背負ったという35億円の借金について語った。
 この日はMCの林修によるインタビューに登場。林が「さださんというと、莫大な借金を抱えて…」「20代で35億(円)?」と尋ねると、さだは「そうですね」」「正確に言うと28(歳)で28億ですね」と回答。「ただ金利の高い頃ですから、返すのに30年かかりましたから、35億じゃきかないかもしれないですね。お返しした額はね。もっとかもしれませんから、人には話は大きい方が面白いんで、40億って」と平然と話した。

 借金を抱えた原因は、中国を舞台としたドキュメンタリー映画「長江」の制作だった。父親が生まれ育った土地でもある中国に興味を持ち、1980年代の長江沿いの街や歴史を2年半に渡り記録した超大作だったが、制作費の圧倒的な見積もりミスにより、35億円もの借金を背負うことになった。

 さだはコンサート後にレストランで、スタッフから28億という金額が書かれた書類を見せられたというが、「これ何」と聞くと「借金」との回答が。さだが「会社こんなに借金したの?」と驚くと、「会社じゃない。お前」とさだ個人の借金と言われ驚いたとした。

 何にお金がかかったのかと聞かれると、「人件費でしょうね」とポツリ。「中国奥地まで撮影に行くと撮影権料っていうのが発生しますから、巨額のお金を支払って撮影に入っていく」とした。

 林から「いま改めてご自身でどう評価されてるんですか」と映画について聞かれると、「中国の人はドキュメンタリー『長江』はみんな知ってるんです、今の中高年は。でもそれを日本人が作ったっていうのは知らなかったんですね。それが最近になってSNSの発達で、これは日本人が作ったものだっていうのが向こうでようやく認知されて。“良く撮ったね”って褒められ始めたとこです」と笑顔をみせた。

 「だって先生、あの当時よ。今から40年前の中国で。(中国)人民解放軍のヘリで空撮してるんですよ。画期的っていうかもうあり得ないことですよ。そりゃお金かかりますよね。中国軍のヘリで空撮ずっと長江、何度もやってますから、これはお金かかりますわ」としみじみと話した。

 莫大な借金や困難に見舞われても撮影を辞めなかったのには理由があった。撮影は「丸2年、僕は正味半年。完全に半年は中国にいましたけど、あの当時ね、ボロカス言われて腹立ってね、“辞めたー”と思って。“中国行こう”と思って」とさだ。当時さだは「関白宣言」を大ヒットさせたが、そのタイトルや一部の歌詞に反応した評論家や団体から「女性蔑視」「差別助長」と痛烈なバッシングを浴び、翌年にリリースした「防人の詩(さきもりのうた)」も「戦争を美化している」とさらなる批判を受けていた。

 「歌でなんで俺人格まで言われるんだろうって言うのは」と振り返ると、「実は逃げましたね」と明言。「僕は肝心なところで逃げるタイプなんですよ。弱い人間なんですよ」と続けると、林も「逃げるって大事なことですからね」と同調した。

 林が「借金から逃げようとは思わなかったんですか」と問うと、さだは「無理だからみんなね、“まさし逃げよう”って言われましたよ」と回顧。林が「整理する方法も、法的にはありますからね」と話したが、さだは「ありましたけど、“倒れたら、もうすっきり謝るから、倒れるまで、このままやらせてよ”って言って、走り続けて、その間コンサートしか僕は収入減がないですから。レコードとコンサートしか」と言い切った。

 そうして借金返済のため、これまでに4500回以上というとてつもない回数のコンサートをこなし、58歳の時、借金を見事に完済したという。林が「借金がなくなるとモチベーションが下がらないですか」と質問すると、さだは「今度は、冷静に考えたら僕の借金返してくれたのは誰?って思うと、お客さんって分かっているので。“じゃあ残り後半の俺の音楽人生、お客さんがどうやったら喜ぶかを考えて行かないとバチ当たるな”って。そらサービスしまっせ」と力を込めた。
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