猿之助容疑者 永久追放も 父・段四郎さん殺人容疑で再逮捕なら…歌舞伎関係者「厳しい処分免れない」

2023年06月28日 03:05

芸能

猿之助容疑者 永久追放も 父・段四郎さん殺人容疑で再逮捕なら…歌舞伎関係者「厳しい処分免れない」
市川猿之助 Photo By スポニチ
 市川猿之助容疑者(47)が27日、母親に対する自殺ほう助の疑いで逮捕された。今後、今まで通りに役者を続けることは極めて難しく、厳しい処分が下ることは必至だ。逮捕を受け、一門である澤瀉(おもだか)屋だけでなく歌舞伎界全体にも激震が走った。
 出演を予定していた10月までの全公演の休演がすでに決まっている猿之助容疑者。今後の活動について、松竹関係者は「本人の心身の状態も分からない中、少なくとも無期限休業にはなるだろう」と展望を示した。

 今回の容疑となった自殺ほう助罪は初犯では執行猶予刑となることが多い。芸能界では薬物事件などで執行猶予期間が明けた後に復帰するケースが多いが、今回は人の死に関わった事件。今後の捜査次第では、父段四郎さんへの殺人容疑で逮捕される可能性もあるだけに、歌舞伎関係者は「もしそうなれば歌舞伎界からの永久追放など厳しい処分も免れない」と話した。

 一方でこの日、逮捕を受けて松竹が発表したコメントでは「司法による最終的な判断がなされるまでは、会社としての見解について申し上げることは差し控えさせていただき、今後の捜査等を見守りたい」などとするにとどめ、そこに厳しい言葉は使わなかった。くしくも今月7日に広末涼子(42)の不倫疑惑報道が伝えられた時に、その所属事務所が「厳重注意」とコメントを発表したのとは対照的。歌舞伎関係者は「今回は刑事事件にもかかわらず、私的なスキャンダルに関するコメントよりも甘いとはいかがなものか。今後も歌舞伎界に引きとどめたいという松竹側の本音が透けて見える」と解説した。

 看板俳優という役割だけでなく、脚本や演出なども手がける唯一無二の存在だった猿之助容疑者。松竹の“思惑”とは違い、周囲は猿之助容疑者について「歌舞伎仲間に遺書を残して自殺を図ろうとしたほど。本人は表舞台に復帰する意思は全くないはずだ」と代弁した。

 そうなれば裏方として復帰する可能性はありえそうだ。「役者としては無理でも、演出などでいつか復帰してほしい」と漏らす劇場関係者もいる。その才能が歌舞伎界から失われることを惜しむ人間は少なくない。

 ≪京都芸術劇場は「厳正に対処」≫松竹に比べ厳しいコメントを出したのが、猿之助容疑者が芸術監督を務める京都芸術劇場。公式サイトで「この事実を重く受け止め、事実関係を確認の上、厳正に対処いたします」とした。所属事務所「ケイファクトリー」は「このような事態に至りましたことを重く受け止め、今後も当局の捜査に協力してまいります」としている。

 ≪松竹が方向性定め幹部役者が了承→処遇決定≫そもそも歌舞伎界は大相撲などと違い、問題があった時の処分が明文化されていない。通常、俳優に問題が起きた時にはその家と興行主である松竹との協議で裁定が下される。市川猿翁(83)が第一線から離れる中、澤瀉屋を引っ張る役割を担っていたのは猿之助容疑者自身。ただ今回は自らが当事者となってしまったため、関係者は「松竹で今後の処遇の方向性を決めた上で、尾上菊五郎、片岡仁左衛門、坂東玉三郎、松本白鸚ら幹部の了承を経て猿之助容疑者の処遇が決定するという流れになるだろう」と語っている。

 ≪中車は対応せず≫中車はこの日、午前10時過ぎに自宅を出て、来月に東京・歌舞伎座で行われる「七月大歌舞伎」の稽古へと向かった。昼の部「菊宴月白浪」で、当初は猿之助容疑者が務めるはずだった主役を引き継いだ。澤瀉屋関係者は「突然の大役となり、連日稽古に励んでいる」とその様子を明かした。稽古を終えた中車は午後6時過ぎに帰宅。車の後部座席に乗り座席のカーテンを閉めたまま自宅へと入り、報道陣に対応することはなかった。


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