猿之助出演予定だった「七月大歌舞伎」開幕 代役中車 目を潤ませ…“因縁”宙乗り初披露 観客も涙

2023年07月03日 15:09

芸能

猿之助出演予定だった「七月大歌舞伎」開幕 代役中車 目を潤ませ…“因縁”宙乗り初披露 観客も涙
市川中車 Photo By スポニチ
 母親に対する自殺ほう助容疑で逮捕された歌舞伎俳優・市川猿之助(本名喜熨斗=きのし=孝彦)容疑者(47)が主演予定だった東京・歌舞伎座の「七月大歌舞伎」昼の部「通し狂言 菊宴月白浪(きくのえんつきのしらなみ)」が3日、幕を開けた。
 猿之助容疑者の代役を務めたのは、いとこの市川中車(香川照之、57)。「菊宴月白浪」は中車の父、三代目市川猿之助(現・市川猿翁)が1984年に163年ぶりに復活させた演目で、「三代目猿之助四十八撰」の一つでもある人気作。今回が32年ぶりの上演となった。

 中車は、父猿翁の代名詞でもあった宙乗りに初挑戦。かつては親子関係を拒絶され長く絶縁状態だったが、2012年に歌舞伎界入りすることになった際に和解。2人の複雑な歴史を経て、思わぬ形でお家芸を継承することになった。万感の思いを込めたかのように目を潤ませて中車が舞うと、客席からは「澤瀉屋(おもだかや)!」の大向こう(掛け声)と大拍手。その熱演に、涙する観客もあった。

 猿之助容疑者は5月18日、自宅の半地下で意識がもうろうとした状態で倒れているのが発見され、2階のリビングで仰向けで倒れていた歌舞伎俳優で父の市川段四郎さん(76)と母の喜熨斗(きのし)延子さん(75)はいずれも死亡が確認された。段四郎さんは2012年に病気をして以来、歌舞伎の舞台から遠ざかっていた。自宅で療養を続けていたとみられ、延子さんが看病していた。

 猿之助容疑者の逮捕容疑は、5月17日午後~18日午前、自宅で睡眠薬を服用させ、延子さんの自殺を手助けした疑い。警視庁は猿之助容疑者が段四郎さんの死亡に関与した疑いについても調べを進めている。

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