屋敷紘子 令和の「口裂け女」誕生 「やっていて心地よかった」

2023年07月04日 07:30

芸能

屋敷紘子 令和の「口裂け女」誕生 「やっていて心地よかった」
映画「先生!口裂け女です!」のポスターの前でほほ笑む屋敷紘子 Photo By スポニチ
 【牧 元一の孤人焦点】7日公開の映画「先生!口裂け女です!」(ナカモトユウ監督)で「口裂け女」を演じた俳優の屋敷紘子がインタビューに応じ、役柄への思いを明かした。
 「久しぶりに旅から本拠地に帰ってきた感じ。他の女性はあまりやりたがらない役かもしれませんが、私は特殊メークも血もアクションも大好きなので、やっていて心地よかったです」

 口裂け女は昭和の時代に広がった都市伝説。過去には映像化されたこともあったが、今回の映画は「青春バトル・ホラー・エンターテインメント」と称される異色作だ。

 「ナカモト監督から直接『口裂け女をお願いしたい』と依頼されて引き受けました。監督とは以前から接点があったので、口裂け女のイメージに私が合うと思ったのでしょう。台本を読んだら、私たちが想像するような話ではなくて、こう来たか!と思いました」

 物語は斬新だが、口裂け女の顔は都市伝説を踏襲。特殊メークとCGによって、口を開けば尋常ではないところまで裂ける。

 「最高でした。初めて鏡で自分の顔を見た時、イェーイ!という感じになりました。過剰ではなく、生々しく、しゃべりやすく、アクションをしても取れない。私はこれまでいろいろな特殊メークを経験してきましたが、この映画で初めてご一緒した藤原カクセイさんの特殊メークは素晴らしかったです」

 物語の中で口裂け女が主人公の高校生・タケシ(木戸大聖)やヒロインのアヤカ(黒崎レイナ)と交流する、ほほえましい場面がある。

 「難しかったです。台本を読んだ時、どうしたらいいんだろう?と思いましたが、自分自身のビジュアルに助けられた面がありました。眉毛を剃っていたし、黒目もカラーコンタクトで小さくしていたので、人間味が少ない雰囲気を作ることができました」

 見どころの一つは、やはりアクションシーン。口裂け女が武器として鎌を使用するところが印象的だ。

 「過去の作品のアクションシーンでも鎌を使ったことがあるので『あ、鎌ですね…』という感じでした。農耕機具ですから、実際はこの映画のような凄い効果はありませんが、口裂け女があのような形のものを持つと怖さが強調されます。終盤の大立ち回りは、周りのスタントマンの方々、共演者の方々の技術が高かったので、私はただ思い切りやらせてもらいました」

 これまで石井隆監督の映画「甘い鞭」(2013年)や下村勇二監督の映画「RE:BORN」(17年)などに出演。高校卒業後に英国に渡って3年間、演劇を学び、30歳の時に韓国のアクションスクールに短期留学した経験がある。

 「私は普段、保守的な人間ですが、10年に1回くらい、うりゃ~!と動きたくなることがあります。その時は、行けばなんとかなると思って、怖いものがありません。英国と韓国がそうでした」

 今回の「口裂け女」も、そんな怖いもの知らずの一面が存分に発揮された作品と言えるかもしれない。

 「自分の名刺代わりになる映画です。『屋敷紘子=口裂け女』でもいい。これからもNOと言わない仕事の仕方をしていきたいと思っています」

 令和の「口裂け女」の誕生。今後は俳優として海外での活動も視野に入れているそうだが、日本の作品での躍動をもっと見たい。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。
【楽天】オススメアイテム