吉川晃司「大きく価値観が変わった」東日本大震災の被災地支援 「動けなくなった」子供からの悲痛の声

2023年07月10日 11:56

芸能

吉川晃司「大きく価値観が変わった」東日本大震災の被災地支援 「動けなくなった」子供からの悲痛の声
歌手の吉川晃司 Photo By スポニチ
 歌手の吉川晃司(57)が9日放送のTBS系「日曜日の初耳学SP」(後9・00)にVTR出演。人生のターニングポイントとなった東日本大震災の被災地支援について語った。
 
 吉川は2011年の東日本大震災が「僕にとっては人生の最も大きいターニングポイントの1つ。あの時、ずいぶん大きく価値観が変わった」と振り返った。

 番組では吉川と親交の深いサンドウィッチマンもVTR出演。伊達みきおが地元、宮城県石巻市で震災直後に吉川が無償で自転車のパンク修理をしていたことや長いトンネル内を軽トラにいろんな人を乗せて何度も往復し、被災した人々を支援していたことを紹介。当時、吉川はスーパーカーに乗っていたが「有事の際は軽トラが一番のスーパーカー。あんなスーパーカーはない」と発言していたことも明かした。

 吉川は被災地支援について、NPO法人に知人がいたことから「大して役に立たないけど体力だけはあるから俺連れてってくれよ」とお願いし、震災直後に被災地に入った。約3週間で「いろんな事を教えられた」という。

 特に忘れられない出来事として「(被災地支援の)ボスに言われたのは“とにかく話しかけろ。何でもいいから沈黙をつくるな”」としゃべりかけることが大事と教わったとし、「近所のおばさんを連れてったら、一番大活躍。被災地のおばあちゃん、おじいちゃんに話しかけたら人だかり」と回想。「僕なんかも一生懸命話しかけるけど余計な事言っちゃうわけですよ」と自身も同様にしゃべりかけたものの失敗の連続だったと明かした。

 以前、仮面ライダーを演じたことから被災地の子供たちに「仮面ライダー好き?」と話しかけたものの、震災で父親を亡くした子供から「仮面ライダーはお父さんを助けに来なかった」と言われたという。吉川は「動けなくなって…」と当時を思い出しながら涙声で振り返り「何てことを言ってしまったんだって思ってね。自分の役割を教えてくれた」と自分ができることは何かを改めて考えさせられたと語った。

 被災地では骨董店を営んでいたおばあさんを車に乗せて自宅を探しに行ったこともあるそうで「(津波被害で)どこか分からないし、でも財産がなくなったんで“壺でも見つかったら助かる”って。でも瓦礫で分からないじゃない。おばあちゃんが言ってたのが“物なんか全部なくなるんだな”って。それで物欲がなくなった」と人生観が変わったと明かした。

 その時に感じた無力感や後悔から「知恵と体を作ることが一番の財産でいたい」と語った吉川。1988年、ギタリストの布袋寅泰と結成したユニット「COMPLEX」は2年で活動休止したものの、2011年に東日本大震災復興支援のために復活ライブを東京ドームで開催した。2日間で約10万人のファンが集結し「集まったお客さんたちが賛同してくれて、我々に預けてくれたものを送ります。そういう趣旨」とライブを開いた意図も説明した。

 そして、ライブも「お客さんといつも笑顔の再会を約束して別れるんです」といい「若い頃は自分の美意識とか、そういうのをちゃんと理解して欲しいなって独りよがりも強かったですけど、そんなことより皆が楽しんで帰ってくれるのが一番。また元気でそれまでいろいろあるけど頑張って皆、生きててね。笑顔で元気だった?(とライブで再会したい)。これを自分が旗振りさせてもらってる感じかな」と意識に変化が生まれたと語った。
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