音楽フェスリハーサル会場で死亡事故…時速120キロの水噴射する「ウォーターキャノン」とは

2023年07月14日 19:36

芸能

音楽フェスリハーサル会場で死亡事故…時速120キロの水噴射する「ウォーターキャノン」とは
WATERBOMBの公式インスタグラム(waterbomb_official)より
 15、16日に大阪・舞洲のイベント会場で開催予定だった音楽フェス「WATERBOMB JAPAN 2023」大阪公演の中止が14日、発表された。同所でリハーサル中に男性スタッフが死亡する事故が発生したためだ。主催者は「会場設営の際、重大な事故が発生」と報告し、事故の再発防止に取り組むとした。
 40代とみられる男性は水を噴射させる装置「ウォーターキャノン」の近くにいた。別のスタッフが点検中にスイッチを押したところ、時速120キロで噴射された水が直撃したとみられる男性が、頭から血を流して倒れていたという。

 「ウォーターキャノン」は、勢いよく水を発射する装置で、発射された水は上空でミスト状になる。気化熱作用で気温を下げられることや、地面に落ちた水分が砂の舞い上がりを防ぐなどの効果が期待され、夏の野外イベントで人気という。

 レンタル・販売を行う業者によると、ウォーターキャノンには大型から小型まであり、噴射口を上(斜め上)に向けて設置。同社では、フェスで使用されるものは高さ2メートルほどの大型のものが多いといい、噴射された水は30~40メートルまで上がり、時速100キロを超える可能性もあるという。メーカーによって噴射口から給水するものもあるというが、同社では噴射口をのぞき込まないよう下部に給水口を設けているという。

 噴射については遠隔で行う。本体とケーブルでつないだスイッチを、最低2メートル離れた場所から操作。メーカーによって構造は異なるといい、パソコンのプログラミングで噴射のタイミングをコントロールするものもある。

 使用の際には注意が必要だ。同社では設営時には安全に留意して会場レイアウトを計画するよう促している。具体的には、「本体のまわりに人が出入りできないよう柵をする。前方は3メートル以上の距離を柵で取る」「発射時まわりに人がいないようスタッフに注意喚起を行う」「スタッフが本体にもたれかからないように注意する」「大量の水を使用するためステージ機材の水養生を徹底する(射出後の水は風に強く影響される)」としている。

 その上で、「今回がどういう状況か分からないが、やはり慣れたスタッフの操作とヘルメット着用は必要。注意点を理解し正しく扱えば、事故は防げたのでは」と語った。

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