NHK「ニュースウオッチ9」番組内で改めて謝罪 コロナ不適切報道、遺族へ「直接おわび伝えたい」

2023年07月21日 22:01

芸能

NHK「ニュースウオッチ9」番組内で改めて謝罪 コロナ不適切報道、遺族へ「直接おわび伝えたい」
東京・渋谷のNHK Photo By スポニチ
 NHKの報道番組「ニュースウオッチ9」での新型コロナウイルスに関する不適切な報道について、21日の番組内で田中正良キャスターが改めて謝罪し、「再発防止に向けて全局的な取り組みを進める」とコメントした。
 この日、同局は5月15日の番組内で、ワクチン接種後に亡くなった人の遺族を新型コロナに感染して亡くなった人の遺族のように視聴者に誤認させたとして、8月1日付で計4人を懲戒処分にすると発表。取材を担当した報道局映像センターの職員と上司に当たる同センターのチーフ・リードはそれぞれ出勤停止14日、同番組編集責任者の報道局チーフ・リードは減給、同番組編集長の報道局専任部長はけん責の処分となった。

 この日の同番組では「視聴者を誤認させる不適切な伝え方をした」として4人らの懲戒処分を報告。5月に取材した遺族3人の映像を改めて放送し「3人はいずれもワクチンを接種したことが原因で家族が亡くなったと訴えています」と伝えた。

 田中キャスターは「取材させていただいたご遺族、そして視聴者の皆様に改めておわび致します」と頭を下げ、「ご遺族には番組の責任者などが直接お会いしておわびの気持ちをお伝えしたいと思います。再発防止に向けて全局的な取り組みを進め、信頼回復に努めてまいります」とした。

 問題となったのは今年5月15日の同番組。エンディングで「新型コロナが5類に移行して一週間が経ちました」「今夜はこちらの映像とともにお別れです」とアナウンサーが伝えて映像を放送。「戻りつつある日常 それぞれの思い」というタイトルの映像では、兵庫・神戸港を出港するダイヤモンド・プリンセス号や、夫を亡くした女性の「いったいコロナって何だったんだろう」というコメントや、父を亡くした男性の「5類になったとたんにコロナが消えるわけではない。風化させることはしたくない」、母を亡くした女性の「遺族の人たちの声を届けていただきたい」というコメントをテロップで伝えたが、3人がワクチン接種後に亡くなった人の遺族との説明はなかった。遺族側はNHK側に抗議し謝罪を求めていた。

 放送翌日の16日、NHKは公式サイトで「コロナウイルスに感染して亡くなったと受け取られるように伝え、ワクチンが原因で亡くなったというご遺族の訴えを伝えていませんでした。適切ではありませんでした。深くおわびいたします」と謝罪。同日の番組でも田中キャスターが「コロナ禍を振り返りご遺族の思いを伝えるという考えで放送しましたが、適切ではありませんでした。取材に応じてくださった方や視聴者の皆様に深くおわび申し上げます」と話し、3人のキャスターが頭を下げた。
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