次女の繭子さんが語った“父・森村誠一” 人間の尊厳伝え続け「父は最後まで作家だった」
2023年07月25日 09:14
芸能
戦争で飢えを経験し「家族におなかをすかせてはいけないという思いが強く、家族みんなで食事をするのが好きでした」という。いつもおちゃめで明るく「私の日記や作文に勝手に赤ペンで落書きをするので、思わず怒っちゃったこともあるくらいです」といたずら好きな一面もあった。
2021年に「老いる意味」、22年に「老いの正体 認知症と友だち」を刊行し、話題になった。編集者でもある繭子さんは「父は最後まで作家だった。30歳を過ぎてから作家デビューし、その後は休まずに書き続けることができたけうな存在」と評し「貫いたテーマは人間の命の尊厳。それを使命に50年以上書き続けてきた尊敬すべき人」と称えた。
人の話を聞くのが好きで、自分と違う意見には興味深そうに耳を傾けていたそうで「現代はいろんな意見があるのがいい。それを話せる世の中はなんて楽しいんだ」と話していたという。シャープな文章で社会の不条理に斬り込む一方で、作品に流れる人間の情緒。懐の深さと優しさがその根底にあった。