NHK会長 BS番組配信の不適切予算問題での再発防止策に「意思決定を可能な限り、説明可能な状態に」

2023年07月26日 14:17

芸能

NHK会長 BS番組配信の不適切予算問題での再発防止策に「意思決定を可能な限り、説明可能な状態に」
東京・渋谷のNHK Photo By スポニチ
 NHKの稲葉延雄会長(72)が26日、東京・渋谷の同局で定例会見を行い、同局がインターネット配信サービス「NHKプラス」にBS番組を加えるための設備調達予算として、総務省が認可していない不適切な費用約9億円を盛り込んでいたとする問題で再発防止策を取りまとめ、25日に発表したことについてコメントした。
 稲葉会長は今回の問題を踏まえ、「経営の意思決定に関するチェック体制の強化を図る必要がある。案件を一元的に管理し、内容を多面的にしっかりとチェックする、意思決定の方法を明確に精査する、そういうプロセスや体制を整備することが大切」だとし、「これまで一連のプロセスに曖昧な部分があったことが今回の問題の最大の原因」と指摘した。それらの整備を「早急に実施して参ります」とした。

 また「このような事案を二度と繰り返さないために、重要だと考えているのはNHKの意思決定を可能な限り、説明可能な状態にしておくこと」だとし、「具体的には、経営上重要な案件について、これまでよりも論点、賛否の状態が分かるように、記録に残すということ。これによって、過去の意思決定が検証可能となり、決定の関係者の責任の所在も明らかになって、ひいてはNHKが組織風土がより良い方向に変わっていく1つの契機になると考えている」と話した。

 NHKは5月30日、2023年度予算に同局を所管する総務省が認可していない不適切な費用約9億円を盛り込んでいたと発表。インターネット配信サービス「NHKプラス」にBS番組を加えるための設備調達予算。同省が定める「」はNHKプラスに配信できる範囲を地上波番組に限っている。BS番組を配信するにはこの基準の変更が必要だった。不適切予算の計上は前田晃伸前会長時代の昨年12月、予算説明の場である理事会を経ずに一部役員の稟議(りんぎ)で決定した。

 これを受け、「NHKプラスにおける衛星放送番組の配信対応整備」に関する再発防止について、先月21日付けで外部の複数の視点を取り入れ、会長直属のアドバイザーとして委員会を設置すると発表。稲葉会長は「7月末までに再発防止策をまとめたい」と意欲を見せていた。

 NHK執行部ガバナンスプレデューに関する専門委員会は平松剛実氏(西村あさひ法律事務所・弁護士)を座長とし、柿澤寿信氏(立命大共通教育推進機構准教授)、齋藤卓爾氏(慶大景観里研究科教授)、船木夏子氏(監査法人トーマツ・公認会計士)の4人で構成される。協会の意思決定のあり方、稟議規定など、各種規定のあり方、組織風土ほか関連事項についてを話し合うという。
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