「らんまん」万太郎出禁…徳永助教授「感謝を忘れるな」伏線見事 不在にネット悲嘆「こんなにも響くとは」

2023年07月28日 19:30

芸能

「らんまん」万太郎出禁…徳永助教授「感謝を忘れるな」伏線見事 不在にネット悲嘆「こんなにも響くとは」
連続テレビ小説「らんまん」第85話。田邊教授(要潤・左端)から出入り禁止を言い渡された万太郎(神木隆之介・左から3人目)は…(C)NHK Photo By 提供写真
 俳優の神木隆之介(30)が主演を務めるNHK連続テレビ小説「らんまん」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は28日、第85話が放送された。話題のシーンを振り返る。
 <※以下、ネタバレ有>

 朝ドラ通算108作目。「日本植物学の父」と称される牧野富太郎をモデルに、江戸末期から昭和の激動の時代を生き抜き、明るく草花と向き合い続けた主人公・槙野万太郎の人生を描く。脚本はNHK「流行感冒」「群青領域」「旅屋おかえり」なども手掛けた注目の劇作家・長田育恵氏。神木の朝ドラ出演は2007年度前期「どんど晴れ」以来16年ぶり2作目。初主演となる。男性主人公は20年度前期「エール」(窪田正孝)以来3年ぶり。

 第85話は、ムジナモの開花から4カ月が経ち、徳永助教授(田中哲司)はドイツへ留学。大窪(今野浩喜)が助教授となった。恩人・森有礼(橋本さとし)が初代文部大臣になり、田邊教授(要潤)は御茶ノ水の高等女学校校長に就任。寿恵子(浜辺美波)が第2子を授かり、長女・園子が元気に動き回る中、万太郎(神木隆之介)はムジナモの研究に没頭。そして、ついに精密に描かれた植物画と論文が完成。それを目にした田邊は…という展開。

 万太郎は“渾身の力と感謝”を込め、68の部分図を1枚にまとめたムジナモの植物画を完成。「みんながおったきこそ、わしはこの1枚が描けた」――。

 しかし、植物学雑誌を目にした田邊は「ミスターマキノ、君は自分の手柄だけを誇っているんだな」。大窪は表紙を見返し「おい、教授の名前は?」「おまえが見つけたムジナモが、Aldrovanda vesiculosaであると突き止めたのは教授だ!だが、おまえは自分が見つけたという報告しか書いていない」――。表紙に田邊の名前はなかった。

 「いかに貴重な物を見つけても、何であるか分からなければ、論文は書けなかったはずだ。当然、教授と共著の形にしなければならなかった。教授、申し訳ありません。事務局長としての私の落ち度です」。大窪は田邊に頭を下げ、万太郎に共著に改め、刷り直しを命じた。

 万太郎は「そりゃ、もちろん、感謝しちょります。ほんじゃき、懸命に描いて…」「共著…」と戸惑う。

 田邊は「もういい」と自虐の笑い。万太郎を慕う皆の顔が浮かぶ。「何を期待していたんだか。もういい!(立ち上がり)ミスターマキノ、今後、我が東京大学植物学教室への、出入りを禁ずる」――。

 植物学教室の面々との回想シーンの胸熱&順風満帆の展開から一転。万太郎は天国から地獄に落ちた。

 第84話(7月27日)で徳永助教授(田中哲司)が万太郎を激励した「教授がおまえに、世界への花道を架けてくださった。この感謝を、忘れるなよ」、第83話(7月26日)で野宮(亀田佳明)が田邊に進言した「あの人は裏表のない、無邪気で、無知な人なんです。私も教師をしていたので、分かります。そういう子ほど、かわいい。どうか教授の恩情で、あと一度だけ、槙野さんに声を掛けてやっていただけませんか。今度は植物画家として」、第82話(7月25日)で福治(池田鉄洋)がつぶやいた「あんなに楽しそうでよ。万ちゃんは恐ろしくならないのかね」「オレは…クセだな。楽しけりゃ楽しいだけ、どっか怖くなるからさ。いいことがあった分、よくねえことも起きるぞーって」――。

 今週の台詞に伏線が散りばめられていた。脚本・長田氏の作劇が一際、冴え渡った。

 思えば、徳永は第78話(7月19日)でも完成した万太郎の「日本植物志図譜 第二集」に対し「おい、この図、仮名や漢数字しかない。これでは外国の人が見る時、不便じゃないか?」と行き届いていた。

 しかし、徳永はドイツへ留学し、不在。大窪がわざと怒鳴り、場を収めようとしたが、田邊の怒りと失望は頂点に達した。

 SNS上には「徳永助教授の不在がこんなにも響くとは」「やっちまったよ。万さん。この恩は忘れてはいけないと、あれほど徳永助教授に言われていたのに…順風満帆すぎて有頂天になってしまった。無邪気で無知すぎた」「やはり最初の学会誌に田邊教授への謝辞を入れたのは、徳永助教授だったのかな。論文を書けと言われたあの場に立ち会い、槙野はもう大丈夫と思っていたに違いない。そして、万太郎も論文を書かせてもらえることを真っ直ぐに受け止めすぎた。真っ直ぐに進んだ結果、すれ違ってしまった」などの声が上がった。

 万太郎が“無邪気”に犯した痛恨のミス。絶体絶命のピンチから挽回なるか。

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