高橋克典 俳優と二刀流 夢はジャズシンガーとして全国でライブ「僕にとっての帰るところは音楽」

2023年08月06日 05:08

芸能

高橋克典 俳優と二刀流 夢はジャズシンガーとして全国でライブ「僕にとっての帰るところは音楽」
1年ほど前からチェロを始めた高橋克典  Photo By スポニチ
 【夢中論】俳優の高橋克典(58)が、ジャズシンガーとの二刀流を誓った。1993年に「抱きしめたい」で歌手デビューし、役者としても歩み続け、今年で30周年の節目。さらなる飛躍を目指し、今日も音楽に触れている。(小田切 葉月)  
 新たな夢への一歩が、すでに踏み出されていた。今年4月29日。高橋はブルーノート東京に“ジャズシンガー”として初ステージに立っていた。ビッグバンドの名プレーヤーの演奏が響く中、甘く深いバリトンの歌声が溶けていく。イベントのスペシャルゲストとして登場し「凄い人たちの中でやらせてもらって、本当にうれしかった。とっても楽しかったです」と感想。大人の色香が漂うイメージとは一転、少年のように目を輝かせて矢継ぎ早に話す姿が印象的だった。

 「母なる海とよく言いますが、僕にとっての帰るところは音楽なんです」

 父は作曲家で指揮者、母は声楽家のクラシック一家。米国で育った母方の祖父も大の音楽好き。EPレコードでジャズを好んで聴いていたという。高橋自身もピアノやトランペットを演奏し、中学ではバンドでギターとボーカルを担当。「朝と昼はクラシックで、夜はジャズが流れる家でした」と話した。

 ロックミュージシャンとして芸能界入り。のちに演技の世界にも飛び込み、テレビ朝日「特命係長 只野仁」シリーズなど数々の人気作に出演している。そんな中、なぜ改めて音楽の道を選んだのか。両親はすでに他界。ふと、家で流れていたジャズが懐かしくなった。「大人になって良さに気がついたのもありますが、家族の記憶に触れる感覚もあった」。

 数年前からジャズを歌い、約1年前から学生時代の後輩に当たるバイオリニストの高嶋ちさ子(54)の勧めでチェロも始めた。毎日30分、休みの日は6~7時間は弓を構え、現在の課題曲であるバッハの「無伴奏組曲1番」に取り組んでいる。「何があっても演奏をしていれば忘れられる。こんな幸せな時間はありません」。充実した表情でうなずいた。

 俳優としての向上心にもつながる。元々劇団などの出身ではなく、芝居は一からスタート。キャリアを積み重ねてもなお「芝居は僕にとって難しいもので、音楽以上に正解がない。今でもさまよい、泳ぎ続けています」と語る。常に仕事を忘れないよう、自宅には壁一面がスクリーンのシアタールームを完備。演技の勉強のため映画観賞は欠かさず、レッスンにも通う。

 主演作を何作も持つ人気俳優の地位を築いてきたが「歌の方が芝居より自信がある」ときっぱり。だが、誇れるものを力に変え、それを演技に落とし込んでいる。「僕はここに立ってていい。自分を鼓舞するものです」と前を見据えた。

 音楽への思いを募らせる高橋。「いつかジャズ歌手として全国でコンサートしたい。ビルボードやブルーノートでも、自分の名前を冠した公演ができるようになれば」と青写真を描く。では、役者業は離れるのか――?

 「そんなわけないじゃない。いろんなチャンネルを持ってる俳優でありたいし、映画にもっと出たい。おじさんなので恥も外聞もなく、歌も芝居も、好きな事は全部やってくよ」

 持てるもの全てに情熱を注ぎ、真っすぐ取り組む。そんな姿が、誰しもを虜(とりこ)にし続けている。

 ≪遠藤憲一とW主演!「いい撮影できた」≫高橋と遠藤憲一(62)がダブル主演するテレビ東京の刑事ドラマ「警視庁追跡捜査係―交錯―」が、7日午後8時から放送される。堂場瞬一氏による小説「警視庁追跡捜査係」のシリーズ第1弾となる「交錯 警視庁追跡捜査係」をドラマ化。性格も捜査方法も異なる同期コンビが未解決事件を追うミステリー。高橋は「久しぶりの2時間ドラマ。遠藤さんともいいコンビで撮影ができたので、楽しみにしていてください」とアピールした。

 ◇高橋 克典(たかはし・かつのり)1964年(昭39)12月15日生まれ、神奈川県出身の58歳。青学大卒。94年7月に日テレ「ポケベルが鳴らなくて」で俳優デビュー。04年10月にモデルの中西ハンナと結婚。血液型O。
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