栗山英樹氏 WBC代表入り交渉、ダルビッシュからまさかの提案があった 「じゃあ監督、僕を…」

2023年08月14日 12:55

芸能

栗山英樹氏 WBC代表入り交渉、ダルビッシュからまさかの提案があった 「じゃあ監督、僕を…」
栗山英樹氏 Photo By スポニチ
 侍ジャパン前監督の栗山英樹氏(62)が、13日放送のNHK総合「プロ野球 マジックの継承者たち Ⅱ 『WBC 栗山英樹監督』」(後10・00)に出演。侍監督就任から第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)優勝まで約1年5カ月にわたって書き続けたノートを公開した。
 500ページを超えるメモでは、知られざる舞台裏が明かされた。

 監督就任からWBCに向けて周到に準備を進める中、22年8月には大谷やダルビッシュらメジャーリーガーとの交渉、11月からは本格的な戦略シュミレーションを行った。

 日本ハム時代から栗山氏を支え、メジャーリーガーとの交渉にも同席した岸七百樹マネジャーがVTR出演。「監督の中ではメジャーリーガーを今回、とにかく呼ぶというのがすごく強かった。夏に、自分の思いを伝えに行くと。順番に鈴木誠也選手とシカゴで会って、夜に食事をして。翌日にミネソタ行ったんです。菊池雄星選手はランチでした」と日本人メジャーリーガーと対面するため、各地を次々とまわった様子を明かした。

 視察の中で、特にこだわっていたのはパドレス・ダルビッシュとの会話。岸マネジャーは「ダルビッシュ選手はポイントだったんで、監督の中で。ダルビッシュ選手だけは絶対呼ぶと」と強い覚悟を感じていたという。

 「栗山メモ」には、「8月9日、サンディエゴ、ダル。球場サロン待ち合わせ。練習が終わり次第行くということだったが、待たせてはいけないし、先に部屋で待つと。ダルがどうしてもと言っていたそうだ。その思いがうれしい」と記されている。

 岸マネジャーはダルビッシュとの対面当時、「あえて、そこで来てくれと言わなかったんですよね。一緒にやりたい雰囲気は出していたけれど、ジャパンに来てくれという話はしなかった。監督の技だと思うんですよね。時をうかがっていたのか、話していて今日は思いを伝えるだけでいいと思ってたんですかね」と回想。

 一方、栗山氏はダルビッシュの代表入りは難しいと考えていたという。「話し終わった時には来ないかなって思いましたよ。理由を本音で話しているし、こちらも理由は納得できた。途中で『じゃあ監督、僕をスコアラー的に雇うのどうですか?』っていう話になったんで。このバッターをどう攻めたらいいかとかいう情報は欲しいんですよ。だけど、(スコアラーとして参加の案を)そうだよねって言ったら、そっち行っちゃって、ピッチャーとして来なくなっちゃうんで」とダルビッシュからスコアラーとして参加する提案を受けていたことを明かした。

 ダルビッシュの代表入りを強く望んだ栗山氏について、岸マネジャーは「野球を作った国アメリカを、アメリカで倒したいと。監督の思いはそれだけ。その逆算なので、アメリカを知っている、メジャーリーガーを誰よりも分析しているのはダルビッシュ選手だったということです」と思いを代弁。

 最終的にダルビッシュは要請に応えてメンバー入り。若手とも積極的に情報交換し、“ダルビッシュ・ジャパン”とも称されるほどチームの支柱となって世界一へ大きく貢献した。
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