塚地武雅 立ち食いそば番組ロケの極意は…

2023年08月21日 08:00

芸能

塚地武雅 立ち食いそば番組ロケの極意は…
8月21日放送の「ドランク塚地のふらっと立ち食いそば」で肉そばを注文する塚地武雅(C)BS日テレ Photo By 提供写真
 【牧 元一の孤人焦点】BS日テレ「ドランク塚地のふらっと立ち食いそば」(月曜後10・00)で各地をめぐる塚地武雅(51)がインタビューに応じ、番組への取り組み方を明かした。
 ──立ち食いそば店に行く前に周辺を散策したり別の店で飲食したりするので番組のバリエーションの豊富さを感じます。
 「お店がある街の良さを紹介するとこから始めています。お店に行く前にまずどこかに寄るというのは、われわれの休日の楽しみ方に近いと思います。ロケものの番組で紹介するお店は敷居が高くて別世界のようなところもありますが、この番組のお店は行ってみたいと思ったらすぐに行けるようなところばかりです。誰もがまねできる1日の過ごし方をお見せする番組なので僕自身もやっていて楽しいです」

 ──それにしても、立ち食いそばを食べる前に生ビールを飲んだりギョーザを食べたりするようなパターンの場合、胃袋が大変なのでは?
 「大変ですよ(笑)。でも、お酒を飲んだ後の締めとしてそばを食べるという流れの場合はそうなるんです。旅のついでにその街の名物を食べてみるのは楽しいですし、街の雰囲気、おもむきを感じながらなので、おなかの具合は二の次、三の次です。僕はこんな体形なので心配ありません」

 ──番組の魅力のひとつが「人との対話」だと思いますが、塚地さんの話し方にはさりげなさ、温かさを感じます。
 「お店によってこだわりが絶対にあると思うんです。お店を立ち上げた頃から現在に至るまでのこと、麺やつゆに関すること…。店長や大将はそれをおおっぴらに口にするのが恥ずかしいというところもあるでしょうから、できるだけ打ち解けて話しやすい状況を作るように心がけています。緊張を与えないようにすることが大事なので、普通のお客さんのような感じでお店に入って話しています。そうすると、いろいろ話してくださいます」

 ──通常のグルメ番組より店内で話している時間が長いと感じます。
 「普通、食べ物屋さんのロケに行くと、すぐに店の人と話して注文して食べて、隣の席にお客さんがいれば話しかけます。でも、この番組のロケは、店長にあいさつした後、すぐに店長とは会話せずに、まず周りの景色のことを言ったり、お客さんと話したりします。ほかではあまり経験がないですね」

 ──一般のお客さんと会話する難しさはありますか?
 「ないかな…。お客さんにこんなことを言ってほしいというのがあって話すわけじゃなく、本当に日常的なことやお店で食べるもののことを聞くだけなので、難しさはないですね。話しかけると、お友達とは言えないまでも、みんなが親近感を持って話してくれます。街を歩いていても老若男女に『塚地!』と呼び捨てにされたり『塚っちゃん!』と呼ばれたりします。バラエティーだけじゃなくドラマにも出ているので、見ていたドラマに出ていた人ということで親近感を持ってもらえているのだと思います。いや、太っているからということが大きいのかな(笑)」

 ──店で食べるそばを決める時に心がけていることは?
 「自分の好みやその日の気分で決めるのではなく、店長のおすすめやお客さんがよく食べている人気メニューを選ぶようにしています。郷に入れば郷に従えという言葉があるように、そのお店のおすすめを食べると、自分が普段食べないものでもおいしいです」

 ──個人的にはどんなそばが好きなのですか?
 「僕がそもそも好きなのはエビなので、エビ天そばがいいです。安い料金で食べられるトッピングが立ち食いそばの魅力ですから、この番組でおおすすめになることはなかなかないですけどね」

 ──立ち食いそばの食レポは難しいでしょう?
 「グルメ系の番組の料理は、ほとんどが凝ったものなので、一般的な味とは違う部分を伝えます。でも、立ち食いそばは庶民的なもので、お店によって大きな差があるわけではないので、難しさはあります。逆に言えば、この部分を伝えなくてはいけないというのがないので、食べた上での率直な感想を話しています。食レポより、僕が食べている姿を見てもらって、おいしそうだと思ってもらうことの方が大事です」

 ──いつも、おいしそうだと思いながら見ています。
 「そう思ってもらえれば十分です(笑)」

 ──最後にロケの感想を語る「ふらっと日記」を見ると、ほのぼのとした気分になります。
 「僕の中では落語のサゲに似たような感じです。うまいことを言えればいいんですけど、言えない時もあります。街を歩いている時やそばを食べている時、特にそのことを考えていないんですよ(笑)。視聴者のみなさんが毎回期待して構えているものでもないでしょうから、今日一日楽しかったということが伝わればいいんじゃないですかね」

 ──落語家・柳家喬太郎さんのナレーションも味があって良いです。
 「喬太郎師匠もおそばを愛しています。温かく見守ってくれているニュアンスがあって、一緒に旅しているような気分になります。あのナレーションがあるから僕がどんなことをしてもちゃんとまとまる部分があるので、とても助かっています」

 ──最後に、今後の抱負をお聞かせください。
 「全国津々浦々の立ち食いそば屋さんに行きたいです。北海道なんか面白いですよね。グルメ系の番組は普通、行く土地の名物を食べるけれど、この番組は北海道に行っても立ち食いそばです。番組が長く続くのであれば『うちの街のこのお店に来てほしい』というところにも行って、みなさんをにぎわせるようなこともしたいです」

 見ていると温かい心持ちになるこの番組。塚地の今後の食欲旺盛な歩みに期待している。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。
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