メリー氏が止められなかった弟の性への欲望 再発防止特別チーム“最高権力者の罪”指摘

2023年08月30日 04:07

芸能

メリー氏が止められなかった弟の性への欲望 再発防止特別チーム“最高権力者の罪”指摘
会見を行う再発防止特別チーム(左から)飛鳥井氏、林氏、斎藤氏 Photo By スポニチ
 ジャニー喜多川前社長の性加害を認定した「再発防止特別チーム」の調査報告書。性加害を詳述していく前に、ジャニーズ事務所が抱える問題の背景として避けて通れない、同族経営体質を明示すべく、事務所の沿革などに多くのページが割かれた。
 沿革や関連会社の情報、株主構成、これまでの経営体制を説明した上で、ジャニー氏や姉の藤島メリー泰子名誉会長、藤島ジュリー景子社長の役割を列挙。「ジャニーズ事務所は、創業者一族(特にジャニー氏およびメリー氏)が絶大な権力を掌握して経営全般を担う典型的な同族経営企業であった」と結んだ。

 こうしてあぶり出したのが「隠蔽(いんぺい)体質」。報告書では、被害の拡大を招いた最大の要因について、「創業以来の最高権力者」だったメリー氏が「何らの対策も取らずに放置と隠蔽に終始したこと」と認定した。

 メリー氏については、ジャニー氏の性嗜好について「病気だから」と述べていたと関係者から伝え聞いていたとする70年代の被害者の証言などから、遅くとも60年代前半には異常を認識していたと思われると指摘。性加害が続いていることを知りながら、その行為を否認し、改めようとしないジャニー氏の行動を止めるのを断念したことで放置する形となり、外部に対しては、弟を守り切るために徹底的な隠蔽を図ってきたものと考えられるとした。

 被害拡大については、「見て見ぬふり」に終始した事務所の不作為にも言及。被害を訴えたところ、事務所スタッフから「デビューしたければ我慢するしかない」と言われたとの証言などから、事務所も性加害を認識していたと考えるのが合理的だとした。

 近く記者会見を行うとみられるジャニーズ事務所。被害者への補償など、透明性と実効性のある救済措置を示すことができるのか。再発防止策やガバナンスの強化なども強く迫られており、社会から厳しい目が向けられる。

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