「水曜どうでしょう」“ミスター”こと鈴井貴之の新著が10月4日発売 愛犬目線で森で暮らす日々つづる
2023年08月30日 04:30
芸能
――本を書くことを決めたきっかけは
「赤平市に住んで10年以上経つので、もういいかな?と(笑い)これまで家屋の写真とか一切出してない。もし載せてしまったら見物に来る人もいるだろうし、田舎なのでセキュリティも不安。ですが今は森での生活も分かってきたし、価値観の変化も感じる。そういう自分の思いもつづりながら、森での暮らしの様子が伝わればいいな」
――愛犬のゴールデンレトリバーのオス、ネイマールくん(7歳)が語り部
「僕のこだわり。自分主体で書くと堅苦しくなりそうだし、世の中には矛盾やあいまいなことがたくさん存在する。ネイマールだからこそ文中で“分からないんだけどね”みたいなことも言えるし、そういうニュアンスを届けたい。読了後に“楽しかった”と思ってもらいたいし、番組が好きな方には“ミスターも大変だったんだな”と感じてもらいたい(笑い)」
――自身について語る本は「ダメダメ人間 それでも走りつづけた半世紀」以来約10年ぶりだ
「あの時は自分主体で書いてますが、今回は自分の経験を読者に向けて書いた。森での生活は50歳手前からスタート。人間は年を取ると、いろんなこだわりが生まれて、頑固に生き方や考え方を変えられないと思いがち。でも僕は50歳を過ぎても変われるということを実体験できたので、少し肩の荷を下ろしたら今後の人生ちょっと楽しく生きられる、という風に思ってもらえたら。タイトルにリスタートと付けたのは、いい年ぶっこいても、ジジイになっても、人間何度だってやり直せることを伝えたかったから。中高年の同世代の方に共感してもらえればと思うし、若い世代にも何かヒントを与える一冊になれれば」
――愛犬との生活
「今は大型犬3頭、小型犬1頭がいます。1番大きい子はグレートピレニーズのオス、モドリッチ(4歳)。50キロもあるんですよ。結婚してた時も…離婚しちゃいましたが、当時娘が飼いたいからとミニチュアダックスフンドを飼ってました。大型犬飼うのは夢で、赤平に来てから一緒に暮らしている。自作も含めてドッグランは2カ所あり、犬たちは放し飼い。夢のまた夢ですが、いつかは保護犬の施設とかも立ち上げたい」
――森での生活を通じて変わったこと
「気長で、我慢強くなった。犬とはコミュニケーションが取れないし、自然の中では決して人間の都合で生活させてもらえない。森で生きると決めたからには、それを受け止めてどう対応していくかを考えるようになりました。事務所の社長時代は、僕があたふたすると社員がピリッとすることもありましたけど、今は森や畑で育った野菜とかを持ってくおじさん。威張らずに生きられるようになりました」
――TEAM NACSのメンバーは来た?
「大泉はたまに僕が東京行く時に“おいしいお店ない?教えて”って連絡するくらいなので、遊びに来てくれた時はうれしかったです。他のメンバーも来てて、まだなのは安田顕だけ(笑い)。大型犬ってよっぽど犬好きな人じゃないと怖いみたいで、来ては飯食って酒飲んで語り合ってます」
――今後の活動について
「自分で言うのも恥ずかしいですが、この本を読むと、自分が“やらなきゃ”と元気になる。5年前くらいに映像作品に関わるのをやめようと思った時もありますが、今は原点回帰。大規模なところではなく、小さな世界でどれだけ可能性をもってやっていけるのか。そういうところに目を向けたい」
――これから本を手に取る読者へのメッセージを
「僕って人によって呼び名が違うんです。ミスター、映画監督、会長、鈴井さん…。いろんな呼ばれ方をするたびに“自分は一体、何なのか”を考えることも多かった。でも呼び名って誰かが決めただけのものだから、それにしばられなくてもいいなと、森の生活で思うようになった。本を通じて、皆さんの肩の力が少しでも抜けることを願っています」