黒星発進の藤井王将「早くも厳しい状況に…」 史上初全8冠独占へ王座戦第1局、大接戦の末に
2023年08月31日 21:37
芸能
藤井が四段時代から月2、3回ペースで練習将棋を指す間柄の両者。さらにタイトル戦での対戦は今回2回目で、初対戦だった昨年棋聖戦5番勝負では藤井が3勝1敗で防衛したが、その内容は「序盤戦術でうまく立ち回られた。研究会の将棋よりさらに工夫した、違った形を番勝負で採用してこられた」と30日の前日会見で藤井が語った接戦。作戦家・永瀬の準備が次第に姿を現した。
比較的自然な駒組みを進めた藤井に対し、永瀬は32手目7筋の歩を突いて初めて駒がぶつかった。永瀬の準備は早繰り銀による急戦策だった。歩交換の後、今度は藤井が2筋、4筋と歩を突き捨てて、動きを見せた。午後0時10分、永瀬が58分長考したまま、昼食休憩に入った。
午後5時からの夕休憩までには59手進んだ。局面は先手藤井の飛車角が永瀬陣を直射し、永瀬飛車の頭へ歩を打っての先手。永瀬は右銀を6段目まで進出させたが、藤井の若干有利と見られた。
夕食に藤井はおにぎり2個(サケと昆布)、止め椀、パパイヤ、ほうじ茶(暖)、永瀬は昼食に続いて陣屋カレー(ビーフ&伊勢エビシーフード)、烏龍茶、抹茶を注文した。
再開後、最終盤に入って1分将棋となる中でもギリギリの攻防が続く大接戦だった。
藤井王将は「どうバランスとるか難しい将棋かなと思っていた。途中角を切って、と金を作りに行ったんですが詰んでみるとこちらの攻め駒が少なくて良い指し方ではなかったかなと。どうにか違う手があったかなという気がしています」と振り返った。
9月12日に神戸で行われる第2局に向け、「早くも厳しい状況になってしまったと思うが、できる限り良い状態で対局に臨んで熱戦にできるように頑張りたいと思います」と語った。