92歳山田洋次監督「時々怒りさえ覚える」シネコンの複雑なチケット購入に物申す

2023年09月02日 05:00

芸能

92歳山田洋次監督「時々怒りさえ覚える」シネコンの複雑なチケット購入に物申す
作品について語る山田洋次監督(撮影・尾崎 有希) Photo By スポニチ
 吉永小百合(78)主演の映画「こんにちは、母さん」が1日に初日を迎え、東京・丸の内ピカデリー1で吉永はじめ息子役の大泉洋(50)、孫役の永野芽郁(23)、山田洋次監督(91)らが舞台あいさつを行った。
 東京の下町で生きる母と息子の新たなる出発を描いたヒューマンドラマ。123本目の出演作となった吉永は「本当はここで(女優業を)やめようかなと思ってたんですが、1、2、3(いち・にっ・さ~ん)と外に飛び出すような数なので、もう少しやってみようと思います」と宣言。「スポーツが好きなものですから、太極拳を習って映画の中で太極拳をやってみたいという希望があります」と“次作”を見据えた。

 吉永に123本の赤いカーネーションを贈った大泉は「吉永さんがこれからも出てくれるということであれば、どんな映画であろうが息子は私であってほしい」と売り込んだ。

 そんなやりとりを笑顔で眺めていた山田監督だが、「近頃、シネコンで映画を見ることが難しくなってきた」と切り出し、高齢者がチケットを購入する際の複雑さに物申す一幕があった。

 タッチパネルを使った発券などが当たり前になった劇場。今月13日に92歳になる山田監督は「僕なんかどうも苦手でね。どうやってボタンを押していいんだか分からない。年配の人たちが戸惑って、映画館に行っても切符が買えないという妙な事態になっている。僕は時々怒りさえ覚える」と嘆いた。「そういう人たちに対応するために、映画館もきっと努力するでしょう」と善処を求めた。

 その上で「切符を買うのが面倒くさいという人にこそご覧になっていただきたい映画。知らない人たちが暗闇の中で、笑ったり、涙を拭いたり…それが映画の楽しさなんだということを改めて認識してもらえる機会になればいい」と締めた。

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