「らんまん」脚本・長田育恵氏が注目発言「最終週に仕掛け」“長寿”万太郎の何歳まで描く?テーマ「継承」
2023年09月07日 08:15
芸能
朝ドラ通算108作目。「日本植物学の父」と称される牧野富太郎をモデルに、江戸末期から昭和の激動の時代を生き抜き、明るく草花と向き合い続けた主人公・槙野万太郎の人生を描く。
長田氏は2018年に「海越えの花たち」「砂塵のニケ」「豊饒の海」の戯曲で第53回紀伊国屋演劇賞個人賞に輝くなど、評伝劇に定評のある劇作家。テレビドラマはNHK「流行感冒」「群青領域」「旅屋おかえり」などを手掛け、今回、朝ドラ脚本に初挑戦した。
丁寧に積み上げた人物描写や美しい台詞の数々、牧野博士の名言「雑草いう草はないき」の通り、光り輝く脇役たちと週タイトルの植物が絡み合う巧みなストーリー展開が視聴者を魅了。キャストの熱演、画面に映り込む花々など細部に行き届く品のある演出も相まって、派手さはなくとも支持を集めた。第105話(8月25日)は平均世帯視聴率18・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と番組最高を更新。21年度後期「カムカムエヴリバディ」以来3作ぶりの朝ドラ18%超えを記録した。
主人公のモデル・牧野博士(1862―1957)は94歳の長寿だった。万太郎の何歳までを描くのか、も最終週のポイントとなる。
長田氏は「最終週は、最初から決めていた仕掛けがありまして。その仕掛けがある以上、万太郎が何歳でも構わない。万太郎が何歳でも、最終週は任意に始められるようになっています」と注目発言。キーワードに「継承」を挙げた。
「富太郎さんが生涯をかけて集めた標本の点数は40万点以上。後世に活用されてこそのコレクションです。万太郎の図鑑も同じで、次の世代に手渡すことができなければ、自己満足に終わってしまいます」
キャストも成長した虎鉄(濱田龍臣)、娘・千歳(遠藤さくら)、長男・百喜(松岡広大)、次男・大喜(木村風太)、末娘・千鶴(本田望結)とフレッシュな顔ぶれになった。
「それこそ植物が種を残し、次の花を咲かすように、万太郎も“種”を後世に残していくことを重要視しました。初回から『おまんは誰じゃ?』と繰り返し問い掛け、見つけてきたものを未来に託す。なので、最終週に向けては、開花の時期が終わった万太郎の生き様、未来へと“種”を残すターンを楽しみにしていただければと思います」と呼び掛けた。
=インタビュー終わり(1)は「朝ドラ執筆の重圧と喜び」(2)は「万太郎・神木隆之介の魅力」(3)は「寿恵子・浜辺美波の魅力」=