東山紀之新社長 “父”ジャニー氏の性加害を「鬼畜の所業」と断罪も「解体的ではない」新体制
2023年09月08日 05:20
芸能
事務所の創業以来、初めてジャニー氏と血縁関係のない人物としてトップに立った。ジュリー氏から社長就任を打診されたのは8月頭。当初からタレント業引退とのセットでの打診で、東山は誰にも相談せず、一晩考えて覚悟を決めた。東山に託した理由をジュリー氏は「最年長で、うちに一番長くいてくれた」と説明した。本格始動は来年に入ってからとなる。
東山にとって父親代わりだったジャニー氏が起こした性加害問題。被害者は数百人規模ともされる。ジャニー氏への「愛情はなくなった」とし、会見中の呼称も「喜多川氏」だった。「エンターテインメントは人を幸せにするもの。あの方は誰も幸せにしなかった」とし「人類史上最も愚かな事件」と厳しい言葉で非難した。「私自身は被害を受けたことがない」と話したが、暴露本などで疑惑は認識しており「恥ずかしながら何も行動していなかった」と振り返った。
8月29日に専門家による「再発防止特別チーム」が事務所への提言を発表。「解体的出直し」のためにジュリー氏の退任などを求めた。東山は提言を受けて「外部からチーフ・コンプライアンス・オフィサーを招き、人権侵害防止のための体制の整備など、徹底した再発防止策を考えていく」と話した。
ただ、会見で発表されたのは、社長の交代と被害者への補償を明言したことだけ。提言から9日間あったが、被害者救済への具体的な方針やスケジュールも出せなかった。東山は「できることには限界があった。できれば会見で全てをそろえて、皆さんに提出できればよかった」と力不足を認めた。さらにジュリー氏は代表取締役として残留。株式も100%保有したままで、性加害問題の根底にあると指摘された「同族経営の弊害」の懸念は今後も残る。
負の遺産となる同族経営を断ち切らなければならない局面だが、最も長く事務所に所属する東山を社長に起用。ジュリー氏は「タレントの気持ちが分かる人がトップに立つ方が、みんなとの溝をつくらないと考えた」と話した。外部から社長を招くよりも、最も喜多川家に近い社長を立てて旧態依然を選んだと捉えられかねない発言だ。「解体的でない」と厳しい指摘を受ける中で、東山はどのように改革していくのだろうか。