「どうする家康」白兎に富士山!OPタイトルバックも“最終形態”ネット沸く「感慨」制作語る第3弾の狙い
2023年09月17日 20:45
芸能
「リーガル・ハイ」「コンフィデンスマンJP」シリーズなどの古沢良太氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ62作目。弱小国・三河の主は、いかにして戦国の世を生き抜き、天下統一を成し遂げたのか。江戸幕府初代将軍を単独主役にした大河は1983年「徳川家康」以来、実に40年ぶり。令和版にアップデートした新たな家康像を描く。古沢氏は大河脚本初挑戦。松本は大河初主演となる。
演出統括の加藤拓監督は「今回からタイトルバックがリニューアル。最後の変身です」を明かし「戦国時代決勝戦“秀吉VS家康”は家康の“敗北(臣従)”でいったん決着がつきます。しかし、誰もが知る戦国の覇者・徳川家康にとっては、この敗北こそが新たな“出発点”。『どうする家康』の家康は勝利ではなく、平和(浄土)こそが目的だからです。本当の豊かさとは何か、それを追い求めることを家康の第3幕としたいという願いがこもったタイトルバックになったと思います」と狙いを説明。
「大らかでシンプルな第1弾、華々しくも荒ぶる戦国を象徴した第2弾、そして第3弾からは、森羅万象が豊かさに満ちる家康の理想が感じられます。戦いの果てに、世界に誇る太平の世を築いた家康の挑戦を、最後までお楽しみください」と呼び掛けた。
アートディレクターの菱川勢一氏(DRAWING AND MANUAL)は「タイトルバックを3作品用意するというのは企画当初に話し合っていました。1つ目は幼少から青年期の家康を描く初期、2つ目は翻弄される家康を描く中期、そして天下人へ。初期は浅い色彩と抽象表現で表現し、中期はそこへ黒や赤、金といった人間の欲のようなものを採り入れました」と過去2作を述懐。
「そして今回の3つ目は抽象から具象へ、つまり夢や思想が形になっていくことを表現しました。家臣などの仲間の絆、そして、うねる波のような時代の変遷の先に民や町が見えてくる。それらすべてをじっと見ている富士の山。その後、200年以上も戦のない太平が続くのを歓迎するように桜が舞う。タイトルバックというものはドラマ本編の入り口の語り部として、まるで窓の外に広がる庭のような部分だと思いながら制作しました。このタイトルバックの制作に尽力したスタッフ全員に感謝するとともに、音楽の稲本さん、そして大河スタッフの皆さんに感謝いたします」と締めくくった。
SNS上には「白兎の冒険も最終章という感じのオープニングが感慨深かった」「抽象画から具象画に」「江戸の町が出た瞬間、感動した」「三方ヶ原以来の暗黒期から征夷大将軍に至る希望に満ちた感じへ」「クレジットのトメが佐藤浩市&富士山の上に名前が出るの、激アツ!」などの声が上がった。
2013年「八重の桜」は震災復興への祈りを込め、月毎にタイトルバック中盤部分が変化。12組のクリエイターが参加した。19年「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」も第2部(後半)仕様が制作されるなど、大河のタイトルバックが途中で変わるケースは過去に数例ある。