市川猿翁さん通夜 弟子ら弔問 中車「かけがえのない誇り」右團次「お疲れ様でした、が似合わない…」

2023年09月19日 05:07

芸能

市川猿翁さん通夜 弟子ら弔問 中車「かけがえのない誇り」右團次「お疲れ様でした、が似合わない…」
弔問に訪れた市川右團次 Photo By スポニチ
 13日に83歳で亡くなった歌舞伎俳優の市川猿翁(いちかわ・えんおう、本名喜熨斗政彦=きのし・まさひこ)さんの通夜が18日、都内で営まれ、澤瀉屋(おもだかや)一門の弟子や歌舞伎関係者が弔問に訪れた。
 息子の市川中車(57)はこの日、京都・南座で猿翁さんがスーパーバイザーを務めた演目「新・水滸伝」の昼公演を終えて帰京。終演後にはトークショーが予定されていたがキャンセルした。夕方にはSNSを更新。「2004年、病に倒れてからの二十年近い年月は、父にとって長く厳しく辛(つら)いものだったに違いありません。しかし多くの人々に愛され、自らしか成し得ない歌舞伎道を最後まで全うしたことは、私にはかけがえのない誇りです。寂しいけれど、これまで通り前に進んでいきます。九代目 市川中車」と、弔問客に感謝するようにつづった。

 猿翁さんの遺体は、通夜会場とは別の斎場に安置されていた。弟子だった市川右團次(59)や人間国宝の中村歌六(72)が弔問。右團次はブログに「お疲れ様でした…と言いたいのですが…その言葉が…似合わない…永遠の恩師に」と書き込んだ。

 遺体はその後、通夜会場に移され、市川猿弥(56)や市川笑三郎(53)ら一門の弟子たちが最後の別れに訪れた。弔問を終えた参列者は「感謝をし尽くしてもしきれません。猿翁さんは、お元気なころのままのお顔でした」と話した。

 ≪出会いは疎開先の熱海≫女優の水谷八重子(84)が本紙に猿翁さんとの思い出を明かした。戦後、静岡県熱海市に疎開し、その際に当時「市川團子」を名乗っていた少年時代の猿翁さんと会った。「“團子ちゃん”が来るということで、女の子かと思ったら坊ちゃんでした。貝殻を一緒に拾ったのを覚えています」と回想。「いつか舞台にまた立ってくれると思っていたのに残念」と肩を落とした。

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