藤井聡太王将(21)=名人、竜王、王位、叡王、棋王、棋聖含む7冠=が永瀬拓矢王座(30)に挑む第71期王座戦5番勝負第3局は27日午前9時、名古屋市の名古屋マリオットアソシアホテルで先手藤井で始まり、戦型は雁木(がんぎ)になった。藤井にとって全8冠独占、永瀬にとっては5連覇による名誉王座が懸かるシリーズは対戦成績1勝1敗。勝った棋士が第71期の制覇へ王手をかける天王山の戦いだ。
飛先の歩、角道を自然に開けた藤井に対し、永瀬は角道に続いて4手目、角交換を拒んで4筋の歩を突いた。約10年前まで振り飛車党だった永瀬が、勝率的に不利な後手番でその採用を匂わせたが16手目、左金を3筋へ上がり居飛車を示した。直前の14手目では9筋の歩を5段目まで突き越し、主張点を作った。
午前12時10分、昼食休憩に入った。32手まで進み、藤井は飛車を3筋、永瀬は7筋と一つずつ寄って攻撃態勢を整えている。昼食メニューは永瀬が三河一色産うなぎのひつまぶし御膳、アイスコーヒー、オレンジジュース。藤井はあいち牛のハヤシライス名古屋コーチンの卵のオムレツのせ、アイスティー。
持ち時間5時間のうち永瀬が1時間29分、藤井は1時間39分消費した。対局は午後1時に再開される。