来年の高峰秀子さん生誕100年へ一大プロジェクト始動 サポーター名取裕子「ずっと憧れ…“片恋”です」
2023年10月02日 21:18
芸能
2010年12月28日に86年の生涯を閉じたが、その出演作や著作の数々はいささかも色あせることなく、多くのファンに愛され続けている。「生誕100年プロジェクト」の会長を「二十四の瞳」の撮影が行われた香川県小豆島町の大江正彦町長が務め、東宝、松竹、KADOKAWA、日本映画製作者連盟が後援。東京都もバックアップする。
サポーターに就任した名取は「30年ほど前、九州の映画祭で同席する機会があり、軽く会釈を交わしたことがあります。凜(りん)とした美しさ、オーラが違う。素晴らしい女優さんで、ずっと憧れてました。“片恋”です。一ファンの代表、一女優の端くれとして、私も楽しみにしております」と語った。
元週刊文春の記者で、2009年に松山善三監督と高峰さん夫妻の養女となった松山明美さんは「(高峰は)私を怒ってると思う。なぜなら人様の手を煩(わずら)わせたりすることが一番嫌いな人だったからです。“あなたは何してるんですか?”と。でも、そうする値打ちのある人だと思うんです。今の人にも、これからの人にも(高峰の)素晴らしさを知ってもらいたい。勘当されようがやりたい、そう思っています」と力強く語った。
イベントはさっそく10月中にスタート。東京・池袋の新文芸坐で同15日から31日まで「浮雲」「張込み」「名もなく貧しく美しく」など12作品が上映されるのを皮切りに、香川県立ミュージアムや大阪・シネ・ヌーヴォ、ラピュタ阿佐ヶ谷、鎌倉市の川喜多映画記念館などで1年間をかけて上映会が実施される。
さらには100歳のバースデーに当たる24年3月27日から4月9日まで日本橋三越本店で「高峰秀子が愛したきもの」展、3月28日から5月6日までは東京タワー1階のの特設会場で、その全生涯を貴重な愛蔵品とビジュアルによって描く大展覧会が控えている。また、24年11月9日から12月8日までの期間、東京・目黒区三田の東京都写真美術館で、土門拳、木村伊兵衛、秋山庄太郎、大竹省二といった巨匠が撮った写真展も予定されている。
このほか文藝春秋、キネマ旬報、筑摩書房、河出書房新社から関連書籍の刊行も予定されており、生誕100年記念切手は既に今年8月から発売中。「デコちゃん」の愛称で親しまれた大女優の生涯が凝縮した中身の濃いプロジェクトになりそうだ。