上野四段、今世紀初!プロ入り翌日に初勝利 新人王戦第1局で今年度最高勝率で現役最年少棋士の弟弟子破る

2023年10月02日 18:14

芸能

上野四段、今世紀初!プロ入り翌日に初勝利 新人王戦第1局で今年度最高勝率で現役最年少棋士の弟弟子破る
藤本渚四段(右)との第54期新人王戦決勝3番勝負第1局を制し、プロ初勝利を挙げた上野裕寿四段 Photo By スポニチ
 10月1日に四段に昇段し、将棋のプロになったばかりの上野裕寿四段(20)が2日、大阪・関西将棋会館で、第54期新人王戦3番勝負第1局に臨み、115手で藤本渚四段(18)に勝利した。日本将棋連盟によれば、四段昇段翌日に勝利するのは今世紀初。藤井聡太王将(21)=名人、竜王、王位、叡王、棋王、棋聖含む7冠=は16年の同じ10月に四段に昇段したが、デビュー戦は12月24日、加藤一二三・九段戦で以降29連勝が始まった。
 振り駒の結果、上野が先手になり戦型は矢倉へ進んだ。両者は井上慶太九段門下の兄弟弟子で、藤本は現役最年少棋士。今年度最高勝率(21勝3敗、・875)を誇るが、上野にとっては弟弟子ということもあり「新人王の決勝という大きな舞台。藤本さんの強さは練習将棋で知っている。注目されるので気合が入りました」と意気込んでいたという。

 お互い、王が囲いに入る前の25手目、上野が3筋の歩を突き出して開戦。43手目、金桂交換からさらに角桂交換と駒損が拡大したが、藤本王の頭上へ歩のバリケードを築いて攻勢を強めていった。対する藤本は8筋にと金、3筋に角を放って包囲網を築いたが、兄弟子に緩みなく寄せ切られた。

 上野は今期、中澤沙耶女流二段(27)、伊藤匠七段(20)、増田康宏七段(25)、吉池隆真三段(18)を破っての決勝進出。伊藤は6日開幕の竜王戦7番勝負で藤井にタイトル初挑戦し、増田は名人戦B級1組順位戦を現在5勝1敗とし、A級昇級へ単独トップを走る。

 「この新人王戦が自分にとっての活躍のきっかけになればいい」。藤井、伊藤より1学年下の20歳は、飛躍への足場を着実に固めている。第2局は23日、同会館で行われる。
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