藤井8冠×杉本八段 爆笑!息ピタリ“師弟漫才”「師匠の人柄のおかげ」

2023年10月14日 04:40

芸能

 11日の第71期王座戦5番勝負で永瀬拓矢九段(31)を3勝1敗で退け、史上初めて全8冠を独占した藤井聡太王将(21)=竜王、名人、王位、叡王、王座、棋王、棋聖含む8冠=が13日、“地元”名古屋市の名古屋対局場を訪れ、凱旋記者会見に臨んだ。藤井は愛知県瀬戸市出身。師匠の杉本昌隆八段(54)も同席。会見は“師弟漫才”のような和やかさだった。
 8冠達成後、師弟が並び立つのは初めて。「(決着した)第4局は苦しい局面の多い将棋だった。2日たって実感、達成感が湧いてきた」。笑顔を見せた藤井の横で、杉本が回想したのは対局後の記者会見。報道陣から師匠への連絡をいつするのか問われた藤井が「(取材で)師匠も忙しいと思うので」と応じたシーンを挙げて「暗に師匠も将棋の勉強をして、ということなのかな?」と弟子を困らせた。

 今したいことは?との質問では、杉本がコロナ禍で休みがちだった一門による研究会の開催を挙げた。多忙になった近年は年1回前後の参加だったという藤井へ「たまには来てくれないかな?」と迫ると、藤井は「この場で言質を取られるのは…」と苦笑い。「会ったことのない弟弟子もいる。そういう時間をつくりたい」と応じた。

 会見場となった名古屋対局場は、東西の将棋会館に続く第3の常設対局場として昨年6月オープン。藤井にとっては待望の地元対局場だったが、昨年度6局を指し、4勝2敗の・667。さらに名古屋市内でのタイトル戦は5勝3敗の・625。藤井の勝率はデビュー以来342勝68敗の・834、タイトル戦でも64勝16敗の・800と比べると、2割近く劣る。

 報道陣からその戦績を指摘されると「少し痛いところを突かれたなと思っている」と、また苦笑い。回答に詰まった弟子に、師匠は「藤井君、心配しないで。自分も名古屋での勝率は良くない」と助け船を出した。杉本の戦績は3勝8敗だ。

 「師匠というと威厳のある人をイメージする。私にとっては親しみやすい。師匠の人柄のおかげと感謝している」と藤井。師弟が息の合ったところを見せ、時に場内を爆笑で包んだ。


 ≪内閣総理大臣顕彰 授与決定≫ 岸田文雄首相は13日、藤井への内閣総理大臣顕彰授与を決めた。顕彰式は11月中旬に官邸で行う。松野博一官房長官は記者会見で「藤井氏は多くの国民に夢や希望を与え、我が国文化の向上、発展に貢献した」と説明。藤井は「今後より一層精進し、将棋の魅力を多くの方に伝えられるよう活動していきたい」とのコメントを出した。将棋界での授与は1996年、7タイトル時代に全冠制覇を達成した羽生善治日本将棋連盟会長の例がある。
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