大村崑　財津一郎さん追悼「厳しさが彼の芝居に生きていた」　林家木久扇、伊東四朗…各界から惜しむ声

　俳優の大村崑（91）は19日、本紙の取材に応じ、財津さんを追悼した。テレビドラマ「てなもんや三度笠」や映画「喜劇・あゝ軍歌」など1960～70年代に数多く共演。「台本のせりふに腹を立てて演出家とケンカしたり、よく彼の愚痴も聞きました」と回想。「闘争心というのか、厳しさが彼の芝居に生きていたと思う」と評した。財津さんは3年前に最愛の妻が死去。「ほれ込んだ妻を見送った後、気落ちしていたんじゃないかと思う」と思いやった。 　▼林家木久扇（落語家）　財津一郎さんは奇声を発するコメディアンで、立ち居振る舞いの面白いコメディアンでした。昨今では「♪ピアノ売ってチョーダイ」のコマーシャルで美声を聞かしてました。それをパロって私も笑点で「♪ピアノを～」を歌ってウケてネタの一つになりました。松竹映画の「忍術猿飛佐助」では共演、いろいろと所作を教わり感激でした。また、NET（現テレビ朝日）の「宇宙大爆笑」のレギュラー出演でも、司会の財津さん、イーデス・ハンソンさんと仲良くしていただきました。

　▼伊東四朗（コメディアン、俳優仲間）　六十数年前、石井均一座で化粧前を並べてました。音楽的に趣味が合って、よく楽屋でギター一本、ハモってました。同年代が逝ってしまうのは寂しいです。

　▼間寛平（お笑いタレント）　小学校、中学校、高校でずっと見ていましたが、めちゃくちゃ面白い方でした。僕が新喜劇に入った時には吉本を辞められていましたが、新喜劇にいらっしゃる時の豪快すぎるエピソードを先輩からよく聞きました。ご冥福をお祈りします。

　▼村上弘明（テレビ朝日ドラマ「状況曲線」で共演）　前半部分はほとんど2人のシーンだったので、地方ロケということもあり、食事や移動、待ち時間も一緒で、いろんなお話をさせていただいた記憶があります。仕事のみならず何事においてもフル稼働、バイタリティーあふれる情熱の人という印象でした。

　▼鈴木亮平（財津さんの孫役で共演）　生意気だった26歳の自分を温かく包みこみ、同じ目線に立って一緒に歩いてくれました。そういう人間でありたいと、自分も思うようになりました。財津さんの歩んできた道のりは、きっと新しい世代に引き継がれていきます。