猿之助被告初公判 元東京高検検事が私見「法廷刑は同じだから…ある意味、非常に優しい起訴」

2023年10月20日 18:04

芸能

猿之助被告初公判 元東京高検検事が私見「法廷刑は同じだから…ある意味、非常に優しい起訴」
市川猿之助被告 Photo By スポニチ
 元東京高検検事で弁護士の高井康行氏が20日、TBS系「Nスタ」(月~金曜後3・49)に出演。東京地裁でこの日開かれた、両親に向精神薬を服用させ、自殺を手助けしたとして、自殺ほう助の罪に問われた歌舞伎俳優・市川猿之助(本名・喜熨斗孝彦)被告(47)の初公判についてコメントした。
 検察側は冒頭陳述で、猿之助被告は週刊誌にハラスメント疑惑などに関する記事が出ると知り、歌舞伎の仕事はできないと思って、父親の市川段四郎(本名喜熨斗弘之)さんと、母の喜熨斗延子さんに自殺を考えていると伝えたと指摘。両親は「周囲の人たちへの責任はどうするのか」などと言ったが、被告は「責任に耐えられない。自分を殺すしかない」と語り、話し合いの末、3人で自殺することになったと説明した。

 被告人質問で「自分と死んでほしいと両親に頼んだことはあるか」と聞かれ、猿之助被告は「そんなことはありません」と否定した。

 MCを務める同局の井上貴博アナウンサーが「誰が主導したのか、家族会議でどんな内容が話されたのか、その場にいる3人しか分からない。それをどうやって立証していくのか」と聞くと、高井氏は「それは生き残った人の供述しかない。被告の今の供述を前提にすれば、自殺のきっかけは作ったけれども一緒に死んでくれと言っているわけじゃないから主導したとはいえないということになる。2人も自発的に自殺をする気持ちになったということになりますよね。証拠的には」と説明。

 「今回はご両親が自殺を望んでいたという事実の認定があり、そのうえで薬を渡したから自殺ほう助だということなんですが。じゃ薬はいったい誰が飲んだの?ご本人たちが自分で飲めば薬を渡したことは自殺ほう助だけど、飲ませたとなると殺人の実行行為だから承諾殺じゃないかという可能性はあるんです。だけど自殺ほう助にしても承諾殺にしても法定刑は変わりはないから、検察官は被告人の供述に従って自殺ほう助で起訴したということですよね」と解説した。

 取り調べの中で、猿之助被告は眠った両親の頭部にビニール袋をかけ、家にあった養生テープでとめたなどと供述している。高井氏は「基本的にビニール袋をかぶせることは殺人の実行行為だから承諾殺で起訴されてもおかしくない」としつつ、「ですが、検察としては法廷刑が同じであることからそこまで踏み込む必要はないと考えて自殺ほう助で起訴した。ある意味、非常に優しい起訴ですよね、私に言わせれば」と私見を述べた。

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