五木ひろし　追悼のダンシング・オールナイト「ご冥福を祈りながら歌唱しました」　名古屋でコンサート

　18日に大動脈解離のため72歳で死去した歌手もんたよしのり（本名門田頼命＝かどた・よしのり）さんの悲報から一夜明けた23日、若き日にヒットチャートで火花を散らした演歌歌手の五木ひろし（75）が名古屋市内で開いたコンサートで追悼した。 　ステージの終盤、「もんた＆ブラザーズ」のヒット曲「ダンシング・オールナイト」を歌唱。悲報に触れた五木が急きょ加えた。さらに、8日に74歳で死去した谷村新司さんの名曲「昴―すばる―」を続けた。80年代の歌謡界でしのぎを削った2人が相次いで他界。悲しみをこらえながら、天国に届くように熱唱した。

　もんたさんとは先月26日にNHKの音楽番組「うたコン」で共演したばかり。この日のステージでも「久しぶりに姿を見て、元気でやってるな、キーも変えずに歌って頑張ってるなあ、と力をもらった気持ちになった」と振り返り、「元気な姿を見ていただけにショック」と話していた。

　関係者によれば、もんたさんとは深く親交があったわけではないが、現場で顔を合わせれば声を掛け合う仲。音楽ジャンルも異なり3歳年下だったが、ライバルのように刺激をもらう存在だった。

　ダンシング・オールナイトは80年4月に発売。同6月に初めてオリコン週間チャートで1位を獲得すると、10週連続首位を記録した。五木は「自分が『おまえとふたり』『倖せさがして』を歌っていた頃、みるみるうちに順位を上げてトップをかっさらっていった。悔しさもあったけど凄いなと思って見ていた」と振り返った。

　五木は「思えば『ダンシング・オールナイト』は、よく聴き、よく歌った作品でもあります。先日亡くなられた谷村くんの『昴』とともに、ご冥福を祈りながら歌唱しました」とコメントを寄せた。