加藤シゲアキ 旧ジャニーズ所属2人目言及「内側から組織を監視したい」 著作「なれのはて」発売記念会見

2023年10月25日 05:30

芸能

加藤シゲアキ 旧ジャニーズ所属2人目言及「内側から組織を監視したい」 著作「なれのはて」発売記念会見
著書の発売記念会見で記者の質問に答える加藤シゲアキ Photo By スポニチ
 NEWSの加藤シゲアキ(36)が24日、都内で著作「なれのはて」(講談社)の発売記念会見を行った。旧ジャニーズ事務所のジャニー喜多川元社長による性加害問題を巡る自身の姿勢を問われると「被害者に配慮しつつ、自分たちの会社で起きた問題ですから、自分たちが一番会社や組織に厳しい目を向けるべきだと思っています」とコメントした。
 タレントが性加害問題について報道陣の質問に直接答えるのは、KinKi Kidsの堂本光一(44)に続いて2人目。著作についての質問が続いた中、表現者として、どのように問題に向き合いたいかとの質問が出た。少し思案した後「作家業としてこの会社にいる必要があるのかと言われると思うが、僕個人の現在の意見としては、内側からその組織を監視したい、見つめたい」と心境を語った。「いつか執筆をする上で、自分の中で大きなテーマになる可能性もありますし、おこがましいけれど自浄作用の一端を担えればいいなと思っています。それができないのであれば、僕は組織には必要ない」と言い切った。

 今作は、直木賞にノミネートされた「オルタネート」以来3年ぶりの長編小説で、今年1月に第1稿を書き上げた。その後、改稿作業中に旧ジャニーズの問題が取り上げられたという。

 戦争や家族、仕事や芸術など多岐にわたるテーマのなかで、メディア・報道についても言及しており「(この本を)今出すべきなのか考えた」と葛藤を明かした。「自己批判的な厳しい視点で丁寧に読み直したんですけど、結果的に自分の感覚は間違っていないと信じたかったし、それだけの覚悟で書いた自負はある」ときっぱり。「刊行しない選択肢はなかった」と強いまなざしで語った。


 ≪秋田の空襲テーマ≫ 新著は加藤の母の地元・秋田で、78年前の終戦前夜に起きた日本最後の空襲と言われる土崎空襲が大きなテーマ。執筆をきっかけに祖母から戦争の体験を初めて聞いたといい「祖母が作品を面白かったと言ってくれたことが一番うれしい」と語った。現在NEWSは全国ツアー中。今作は「小説現代10月号」に全編が掲載されており「(客席で)うちわではなく小説現代を振っている人が何人かいた」と、作家兼アイドルならではのエピソードを明かした。
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