故メリー氏「テレ東には出さない。次の人を育てたら？」　テレ東社内調査で明かされた力関係の差

　テレビ東京は26日、旧ジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川元社長による性加害問題を受け、局員への調査結果を企業サイトで公表した。 　テレ東は1999年4月から02年末まで、同事務所とは取引がなかったが、その後03年に再開。その際に「所属タレントの人気が高まるとともに、同事務所の発言力も増大。キャスティングについて、同事務所の影響が大きくなった」と、関係性の変化があったとした。

　所属タレントに対し、同局への出演を依頼したところ、故メリー喜多川元副社長から断られた事例があったとした。ある元制作局員は調査に「（副社長だった）メリー氏に売れっ子のタレントの出演要請をしたら『テレビ東京には出さない。次の人を育てたら？』と言われた」と回答。「テレビ東京はジャニーズの育成番組を放送し、人気が出たら他局へもっていかれる流れがあった」と証言し、局と事務所とのパワーバランスに大きな違いがあったことを明かしたという。

　同局は旧ジャニーズ事務所を「重要な取引先と位置づけて」いたとし、「編成・制作局で意向を尊重したり、番組共演者の選定で一定の譲歩をしたほうが得策と考えたりした局面はあった」と説明。「これらを制作現場では通常のビジネス慣行における駆け引きや取引条件をめぐる交渉の一環と受け止めていた」とした。